二 婦人防火クラブによる防火活動
住宅防火を推進するには、家庭の防火管理者である婦人の防火意識の啓発が必要であることから婦人防火クラブが昭和四三年に結成され、現在、管内には三クラブ、約三五〇名で組織され、主な活動内容は、各地区で実施される行事に合せて消火器、消火栓の取扱訓練の開催、市の防災訓練に参加し、軽可搬式ポンプで消火訓練を披露しています。
年末には消防団と連携して、夜警巡視を実施して観閲を受け、出初式には分列行進、バザーにも協力し地域の防火、防災の啓発のため、先頭に立って頑張っています。
三 自主防災組織(自警団)の防火活動
管内には二五世帯が居住する離島があり、消防車が到着するにはフェリーで一〇分を要することから、「自分達の島は自分達で守ろう」の機運が高まり、平成七年に島の住民の総意で自警団を結成し、自警団長のもと毎月一回、自警団員全員が可搬式ポンプ等の点検、放水試験を実施し、万一の火災に備えています。
もちろん、消防署も訓練等に、協力し、自警団との交流をはかっています。
結成後は、この地域には火災は発生していません。
四 高齢者の防火対策
当管内においても年々高齢化が進展し、一人暮らしの老人世帯の増加が著しいことから、火災予防運動期間中に、緊急通報システムを設置している一人暮らしの世帯を担当課職員とタイアップして、健康状態の把握とともに、防火指導をしています。
また、老人クラブの研修会のカリキュラムには、必ず防火講座をとり入れていただき防火の啓発に努めています。
五 広報媒体の活用
乾燥注意報発令中はもちろん、平常時においても防災無線の消防時間帯を有効活用して、防火標語をとりいれた防火広報を実施するとともに乾燥注意報発令の際には、管内を消防車両できめ細かく巡回広報を実施しています。
六 庁舎全体を広報広場
新年の無火災を願って、竹で枠組みを作り紙を張り合わせて作製した職員手作りの張り子の干支を庁舎前に飾り、行き交う人に防火を訴え、また、庁舎壁面にジャンボな防火アニメシートを設置して行き交う人々の目をひきつけています。
住民から、「今年はどんな干支が登場するのか楽しみ」の声も聞こえてきます。
七 出初式を市民参加の場
出初式を住民の参加の広場とすべく取り組み、小学生の鼓笛隊、姫太鼓クラブの太鼓演奏、婦人消防クラブのバザーへの協力により一般住民の参加が飛躍的に増加しています。
おわりに
日常生活の中に少しでも長く「火災を起こさない」の意識を継続させることが、火災の減少につながり、このことが火災予防思想普及の原点であると考えます。
また、地域に密着した火災予防を展開するためには、全職員が広報マンの気概を持って消防車と共に積極的に街に出て、消防車が消防署であるといった移動消防署的な発想をとり入れ、住民とのふれあいを大切にして、先に紹介した広報活動を地道に継続して地域住民の防火意識を育て、安全で喜んで住んでみたい街づくりを目指して努力したい。
(上野静志)