七 導入の効果と今後の課題等について
(1) 導入効果について
現在の救急車による救急業務については、昨今の慢性的な交通渋滞などにより医療機関への救急搬送に時間を要しておりましたが、特に一刻を争う重症患者を遠方の救命救急センター等へ搬送する場合の搬送時間が短縮でき、早急に医療処置を受けることができ、予後への影響について効果がありました。
(2) 今後の課題
ア 医療機関との通信手段の整備
ヘリコプターの中では、携帯電話の使用が禁止されていますので、病院への連絡は消防無線を介して行っておりますが、直通で連絡できる体制が整っておりません。
ヘリコプターに設置できる航空電話の販売はされておりますが、高度等により使用範囲が制限されるため、通常の運航で使用できる航空電話等の開発が必要であります。
イ 医療機関のヘリポートの整備
ヘリポートが整備されている医療機関が少なく、医療機関付近の臨時離着陸場からドクターカー等で搬送しております。
一刻を争う救急患者の搬送時間の短縮、また、救急車等への載せ換えのリスクを考えた場合、病院ヘリポートの整備を早急に望むところです。