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(2) 出場指令

ア 消防指令センターは、一一九番通報受信時に、前記の出場基準に該当すると認められ、又は疑われる場合は、救急事故発生地域及び搬送時間を考慮して、救急隊の出場と同時にヘリを出場させます。

イ 救急隊長が、救急現場でヘリ救急が有効と認めた場合、前記出場基準に拘らず、ヘリの出場要請により出場させます。

(3) 隊員構成

ア ヘリコプター運航要員 四人

イ 救急隊員(救急救命士を含む) 二人

救急隊員は、救急車から乗り替えます。

 

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六 運用実績

平成一一年三月七日運用開始以来九月末日まで五件のヘリ救急を実施しております。

内訳は、労災事故一件、加害事故一件、転院搬送三件となっております。

 

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救急隊からヘリ救急へ患者を収容

 

七 導入の効果と今後の課題等について

(1) 導入効果について

現在の救急車による救急業務については、昨今の慢性的な交通渋滞などにより医療機関への救急搬送に時間を要しておりましたが、特に一刻を争う重症患者を遠方の救命救急センター等へ搬送する場合の搬送時間が短縮でき、早急に医療処置を受けることができ、予後への影響について効果がありました。

(2) 今後の課題

ア 医療機関との通信手段の整備

ヘリコプターの中では、携帯電話の使用が禁止されていますので、病院への連絡は消防無線を介して行っておりますが、直通で連絡できる体制が整っておりません。

ヘリコプターに設置できる航空電話の販売はされておりますが、高度等により使用範囲が制限されるため、通常の運航で使用できる航空電話等の開発が必要であります。

イ 医療機関のヘリポートの整備

ヘリポートが整備されている医療機関が少なく、医療機関付近の臨時離着陸場からドクターカー等で搬送しております。

一刻を争う救急患者の搬送時間の短縮、また、救急車等への載せ換えのリスクを考えた場合、病院ヘリポートの整備を早急に望むところです。

 

 

 

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