(3) 災害救助犬の種類
現在JKCで一〇四頭の災害救助犬を認定しておりますが、その犬種は大型犬一〇一頭(ジャーマン・シェパード・ドッグ七三頭、ラブラドール・レトリーバー二一頭、ゴールデン・レトリーバー六頭、ロットワイラー一頭)、小型犬三頭(トイプードル一頭、柴一頭、ダックスフンド一頭)となっています。前々から小型犬の育成が必要と考え育成を進めておりましたが、先日の台北大地震に出動しその必要性を痛感致しました。
特にこの度のようなビルの崩壊現場では、捜索する隙間が狭く大型犬を入れにくいこと、特に隙間に入れ捜索中に余震が有り退避する場合に大型犬では中で回れず、後ずさりで退避するため、退避が遅れ二次災害の恐れがあること、また、横倒しのビルの上から入るために犬を引き上げるのに大変苦労(約三〇〜四〇kg)しました。今後小型犬の育成に力を入れて行きたいと考えております。
三 出動の手続及び手順
災害発生の情報が入りますと、理事長をキャップとする災害救助犬出動対策室を設置し、情報の収集を始め災害救助犬の出動体制を整えます。現在JKCでは、東京消防庁を始め仙台市、渋谷区、伊勢原市、町田市、大宮市と「災害救助犬出動に関する協定」を締結しております。災害発生の場合は協定に基づき本会登録の訓練所から災害救助犬を派遣し、関係機関の指揮下で捜索活動を行います。また、関係機関には訓練所及び災害救助犬の名簿を提出しておりますので、直接近くの訓練所に指示し災害対策本部に出動できる体制になっております。協定の結ばれていない所への出動については、テレビやラジオによる情報、電話等による官公庁への問い合わせと、本会傘下のクラブ等の情報から、理事長の判断の下に訓練所に対し出動指令を出す事になります。
また、この度のように台湾等海外に出動する場合は、空港等において動物検疫の手続が必要になります。この手続をいかに速やかに行えるか、関係機関のご協力を仰ぐ事になります。