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地震災害、土石流災害等に活躍する災害救助犬について

社団法人ジャパンケネルクラブ 総務局長 山根潔

 

一 社団法人ジャパンケネルクラブについて

始めに社団法人ジャパンケネルクラブ(以下「JKC」と言います。)について、ご説明させていただきます。

(1) JKCは、昭和二四年に設立した団体であり、各種畜犬の犬籍登録および有能・優良犬の普及と畜犬の飼育の指導奨励を行い、広く国民の動物愛護の精神を高揚することを目的として活動しており、事業として犬籍登録、展覧会(ドッグショー)、その他訓練、アジリティー、トリミング、ハンドリング等の競技会の開催のほか、犬の絵コンクール、写真コンテスト、ふれあいの俳句、また、最近注目を集めております災害救助犬の育成などを実施しております。

(2) JKCは、日本政府認可の全犬種登録団体として我が国の登録頭数の八割強を占める唯一の公益法人です。また、国際畜犬連盟(FCI)六七カ国のアジア地域代表国(FCI理事国)、アジア畜犬連盟(AKU)一一カ国の会長国として諸外国の畜犬団体の役員や審査員の交流、並びに世界に通じる「国際公認血統証明書」を発行している畜犬団体です。

(3) JKCは、全国各地域で結成された会員一、〇八〇クラブ(一クラブ、会員五〇名以上)で構成されています。また地域機関として、六七のクラブ連合会及び一四のブロック協議会を組織し活動しています。それぞれの組織では愛犬家(クラブ会員一六万名)のための展覧会を初め、訓練その他各種競技会を開催しており、その開催回数は年間三五〇回に達しております。

 

二 災害救助犬の育成と取組

(1) 災害救助犬の分類

最近いろいろな所で動物、特に犬が私達人間の為に役立ってくれています。今回は人命救助に役立つ災害救助犬についてご紹介します。

一口に災害救助犬と言いますが、大きく分けて、1]地震などによる家屋の崩壊現場で活躍する災害救助犬、2]山での遭難や行方不明者を捜す山岳救助犬、3]湖での遭難に活躍する水難救助犬の三種類が考えられます。

ここでは、1]の地震などによる家屋の崩壊現場で活躍する災害救助犬についてご説明致します。

この災害救助犬の育成は、JKCが平成二年から手掛け、先進国であるスウェーデン他諸外国に担当者を派遣し調査と研究の末、現在の認定試験制度を確立いたしました。平成一一年三月末現在、認定試験に合格した災害救助犬は一〇四頭、公認災害救助犬育成訓練所二二訓練所、指導手(その犬のオーナや訓練士で災害現場において犬と行動を共にする者)一一〇名となっています。

(2) 災害救助犬の訓練

これらの災害救助犬はどのようにして訓練されるのでしょうか。

災害救助犬に限らず、如何なる犬、勿論皆様がお飼いになっている愛犬においても同じなのですが、一番大切なのは躾けです。

 

 

 

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