本圏域は、山口県西部の日本海と瀬戸内海とのほぼ中央の緑に囲まれた高原地に位置し、美祢市・秋芳町・美東町の一市二町で構成された圏域であります。
昭和四五年には全国無煙炭の約六〇%を産出していましたが、エネルギー革命により閉山を余儀なくされました。現在は豊富な地下資源の石灰岩を中心としたセメント鉱業・大理石鉱業・カルスト土壌に適した果樹・野菜の生産などが主な産業となっていますが、これから二一世紀に向け先端技術産業の誘致を図り、内陸部生産拠点として更に活力ある都市づくりを目指しています。
観光面では、四季折々の姿を見せる国定公園「秋吉台」その地下に特別天然記念物「秋芳洞」があり、大正一五年昭和天皇が皇太子のとき、この洞窟に行啓され「あきよしどう」の名を賜わりました。洞内は様々な形をした鍾乳石などで彩られ、高さ三〇m、幅二〇mの観光コースが約一kmにもわたって続き、その奥にも未知の洞窟が八kmあると言われ入洞するたびに私たちを飽きさせることなく魅了し続けています。そのほかにカルスト台地には三〇〇にもおよぶ洞窟が散在し、独自の進化をした生物、また何一〇万年前のトラやサイ、ゾウ、ヒョウなどの化石も発見され、古生代・中生代・新生代にわたるこれらの学術的に貴重なものを化石館、科学博物館に保存展示し訪れる人々を太古の夢に誘っています。
当消防本部は昭和四八年に美祢市消防本部として発足、昭和五九年に組合消防を設置し、管内総面積四七二・七一km2、一本部、一署、一出張所で消防職員五七名、消防団員九七八名と共に地域住民の安全確保に全力をあげています。
美祢地区消防組合消防本部 消防長 三吉丹治