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国際緊急援助隊を台湾に派遣

 

九月二一日二時四七分、台湾中央部付近でマグニチュード七・七の地震が発生した。台湾では今世紀最大規模の地震で、死者約二千人、負傷者約九千人の被害が発生した。

日本国政府は、国連人道援助調整事務所の要請を受け、外務省国際緊急援助チーム(先遣隊)五名(外務省、警察庁、海上保安庁、JICA、自治省消防庁各一名)、国際緊急援助隊一一六名(救助チーム一〇五名、医療チーム一一名)の派遣を決定した。先遣隊五名は同日一四時〇〇分羽田空港を出発し、救助チーム第一次派遣隊三四名(外務省一名、消防一五名、警察一四名、海上保安庁四名)は同日一九時〇四分羽田空港を、第二次派遣隊三六名(消防一五名、警察一五名、海上保安庁四名、JICA二名)は同日一九時五〇分成田空港を、それぞれ出発した。そして、第三次派遣隊三五名(消防一五名、警察一五名、海上保安庁四名、JICA一名)は二二日九時〇四分成田空港を、医療チーム一一名(医師二名、看護婦四名、JICA三名、医療調整員二名)は同日一七時二〇分羽田空港をそれぞれ出発した。

なお、国際緊急援助隊の国際消防救助隊四六名は、自治省消防庁三名、東京消防庁一八名、仙台市消防局四名、千葉市消防局三名、京都市消防局四名、川口市消防本部二名、松戸市消防局二名、新潟市消防局二名、岡山市消防局二名、倉敷市消防局二名、佐世保市消防局二名、鹿児島市消防局二名で構成されている。

国際緊急援助隊は発災一九時間後には現地入りし、大きな余震の続く中、電磁波人命探査装置や簡易画像探査機などを使い、八名を発見し七名の救出を行った。今回の活動では、生存者救出には至らなかったものの、現地入りまでの素早い対応や規律ある行動は被災地でも高く評価された。

 

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九月二八日帰国した国際緊急援助隊は、家族や台湾出身者等から温かく迎えられ、羽田空港内で解団式を行った。その後、国際消防救助隊は自治省消防庁に移動し解隊式を行った。解隊式は、野田自治大臣や鈴木消防庁長官、消防庁幹部職員、派遣消防本部の幹部等が列席し行われた。北出総括官が活動報告を行い、野田自治大臣がねぎらいの言葉を述べた。鈴木隊長が鈴木消防庁長官に国際消防救助隊の隊旗を返還し解隊式を終了した。

 

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編集後記

★ 今月号では、情報公開について掲載しました。情報公開法が成立し、消防行政においても新たな対応が必要になってくると思われます。今回は、情報公開制度やその対象となる文書、守秘義務との関係、情報公開に関する事務の流れ、判例の動向等について執筆していただきました。今後の参考にしていただきたいと思います。

★ 今月号から木下先生の執筆のワンポイント 消防職員のための法令解説が新しいシリーズとなりました。最初に消防行政を執行していく上で何かと縁の深い裁判所について解説していただいています。今後の参考にしていただきたいと思います。

★ トルコ地震の記憶も冷めないうちに台湾地震が発生し、今回も国際緊急援助隊の派遣が行われました。災害発生時の国際貢献が徐々に定着し、高く評価されるようになってまいりました。我々消防も国民の期待に応えるよう頑張っていきたいものです。

(大橋)

 

 

 

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