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Hello Firefighter

 

女優 奥菜 恵さん

 

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“今しかできないこと、今やらなきゃ後悔する”

 

奥菜恵さんが、不思議な役柄に次々と挑戦している。今年夏放送のドラマ「天国のKiss」(テレビ朝日)で幽霊を演じた。工事現場から鉄骨が落下して命を落としてしまう高校生役だった。命を落とすといってもそこはドラマ。肉体はそのまま残っての“半熟幽霊”となって、この世で生活する。

「死んでも、生きていた時のまま。これでは気持ちにケリがつかない。幽霊なりに悩みます。でも、私が実際にこんな立場になったら未練いっぱい。死を考えると怖いですね」

二年前にさかのぼる。奥菜さんは「ふたり」(テレビ朝日)に出演した。優等生の姉と、自分に自信の持てない妹がいた。ところが突然、姉が事故死した。姉の死がきっかけで家族が崩壊し、妹にはさまざまなプレッシャーがかかる。そんな時、姉が幽霊となって現れ、妹にアドバイス。姉役が一色紗英さん、妹が奥菜さんだった。幽霊を相手にした人が、二年後には幽霊になったのだ。

「天国に一番近い男」(TBSテレビ)というドラマにも出演した。この時はごく普通の出版社OL役だった。幽霊と言えばドロドロした暗い感じだが。奥菜さんの場合は明るい。「今しかできないこと、今やらなきゃ後悔するなど、生きている意味を一生懸命みんなに教えました」

こうしてみると、奥菜さんにはなぜか、事故がつきまとう。秋から放送のフジテレビ系「砂の上の恋人たち」(火曜後10:00)も、オーストラリアの砂丘上で起こった交通事故が物語の発端だった。奥菜さん演じる絵理花は、親友のひとみ(菅野美穂)と彼女の恋人朗(長瀬智也)と旅に出た。だがひとみが、交通事故で死んだ。そして、ひとみの死後、絵理花は朗への思いをつのらせて…。「人間はこんなに簡単に死ぬなんて。台本を読んでいると苦しくなります」。いつもドラマでは救急車のお世話になっている。実生活では救急車は無縁。「夏の生まれだから夏は大好き」という奥菜さんは、ひまわりのように明るい健康美女。

(インタビュー・編集部)

 

 

 

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