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ワンポイント

消防職員のための法令解説

 

裁判所(一)

時代の進展につれ消防職員も、いろいろ裁判にかかわることが多くなってきた。今回から、裁判所について解説する。

 

一 刑事裁判と民事裁判

裁判は、刑事裁判と民事裁判(行政事件も、この中に含める)とにわかれる。

刑事裁判は、検察官が、刑事被告人について、裁判所に公訴の提起をすることによって開始される。

民事裁判は、人や団体(国や地方公共団体も含む。)が、原告となり、日常生活上の紛争を処理するために、人や団体を被告として、裁判所に訴訟を提起することによって開始される。

 

二 裁判所

裁判は、裁判所で行う。

裁判所は、最高裁判所と法律で定める下級裁判所より成り立つ(憲法七六条一項)。

法律で定める下級裁判所として、高等裁判所、地方裁判所、家庭裁判所、簡易裁判所がある(裁判所法二条一項)。

 

三 高等裁判所

下級裁判所中の最上位の裁判所が、高等裁判所である(裁判所法二条)。

全国八箇所に置かれる。

高等裁判所所在地は、東京、大阪、名古屋、広島、福岡、仙台、札幌、高松である。

高等裁判所は、管内に、その支部が置かれることがある。

事件の裁判は、通常、三人の裁判官の合議制で行われるが、特殊な事件は、五人の裁判官の合議制で行われる。

 

四 地方裁判所

高等裁判所の下位にある下級裁判所で、原則的な第一審の裁判所である。

地方裁判所の裁判は、原則的には、一人の裁判官で裁判する一人制である。しかし、重要事件等で合議体で審理及び裁判をする旨の決定を合議体でした事件等については、三人の裁判官の合議制で行う(裁判所法二六条参照)。

また、地方裁判所は、簡易裁判所の判決に対する控訴事件等を、第二審として行うが、この場合は、合議体で行う。

地方裁判所は、現在、各都府県に一庁、北海道に四庁の五〇箇所ある。

 

全国消防長会

顧問弁護士  木下健治

 

 

 

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