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当時、和歌山市で子供の火遊びによる火災が多発しており、子供の火遊び防止に腹話術をと、さっそく先生を訪ねて腹話術の指導を受け練習を重ねるうち、人形を購入して人形に「一一九ちゃん」という名前を付け、幼稚園、保育所、老人ホーム等を訪ねて二〇年間に渡って防火の広報を行っています。

今では、和歌山県腹話術協会の会長としてボランティア活動を行っています。

 

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二 防火広報用看板

消防局庁舎に隣接する中消防署の西壁面に縦三・四二m、横三・一五mの大きさで毎年新年と夏の二回予防課職員が手作りの看板を作成して市民の好評を得ています。

新年は「兎(と)びっきりのとしに !」と干支のうさぎ、夏は「もう ! やかないで」と日焼けした女性と、いうようにキャッチコピーと図柄を組み合わせ、ソフトなイメージで市民に防火の喚起を促しています。

今では、次回どういう大型看板が掛かるのか、楽しみにしている市民が多いと聞いています。

 

三 メディアを利用しての防火広報

春、秋の予防週間中、毎月一日と一五日にテレビ和歌山、和歌山放送を利用して一五秒間のテレビスポット、ラジオスポットニュースを行い、茶の間への「うっかり火災」の減少を促しています。

また、JR和歌山駅、南海和歌山市駅の本市の玄関に春、秋の予防運動期間中、年末火災特別警戒期間中、電光ニュースを流し市民にちょっとした電車の待ち時間等に注意を傾けてもらい防火を呼びかけています。

 

四 協力団体の活動

地域における防火リーダーとして防火委員会四二地区、婦人防火クラブ五四隊、幼少年消防クラブ九五隊を組織しています。「自分たちの町は自分たちで守ろう」と、いう意識から結成されました。これらの協力団体は総合防災訓練への参加、防火研修会、他都市への視察研修会等、自主的に運営されています。また春、秋の予防週間中には街頭防火広報、年末火災特別警戒期間中の夜間広報等を通じて少しでも、家庭から火事を出さないようにと積極的に取り組んでいます。

 

終わりに

本市は、昨年カレー事件が発生し、今年もまだ新聞紙上を賑わせています。この事件で得た教訓を生かし、今年は職員一丸となり、一人ひとりが我こそは消防職員の代表であると、いう気構えと自覚のもとに行動し高齢者の防火対策、住宅防火、事業所防火、危険物防火等、市民と一体となり火災の減少を図ってまいります。

また、現在のような情報化社会の中で押しつけられた広報ではなく、消防の実態を正しく市民に知らせるとともに意見をくみ取り、消防行政に対する理解と信頼を得て、市民の支持と協力により、市民の安全と快適な生活を守るという目的を達成するため活動してまいります。

(和田清)

 

 

 

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