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四 おわりに

本事例は、先着隊による的確な状況報告により、救助隊出場途上において状況が把握出来たこと。また、現場状況がブリッジ救出に適した条件だったことが幸いし、救出が迅速に行われた要因である。しかしながら、救助活動は、常にその性格上、困難性、危険性が伴う業務であり、安全確実、迅速に行うには技術練磨に励み、複雑多様化する災害にも的確に対応していきたい。

(今野権蔵)

 

予防・広報

一丸となっての防火広報

和歌山市消防局

 

はじめに

当市は、和歌山県北西部にあり、市の北部を東西に流れる紀ノ川河口地帯に形成された扇形の平野に位置し、徳川御三家、紀州徳川五五万五千石和歌山城の城下町として発展した地域にあります。

明治二二年四月、五万余の人口を擁し市制を施行して以来、温暖な気候と地域的要件に恵まれ、木工、メリヤス、捺染、皮革等の産業が発達しました。

昭和三〇年に隣接一四カ町村を合併して京阪神経済圏との密接な結びつきをもち、製鋼を主産業として発達、現在では県人口の約三六%を擁する。地方中心都市としての形態を整えました。

また、先の阪神・淡路大震災を教訓として、子供からお年寄りまでのすべての市民が安心して暮らせる都市を目指すとともに、平成九年四月一日から「中核市」に移行したことに伴い、より一層のきめ細やかな市民サービスの提供と本市の歴史や恵まれた自然の特性を十分にいかした町づくりを推進しています。

当消防局は、昭和二三年三月消防組織法施行により、和歌山市消防本部、和歌山市消防署、同署河西出張所を設置。消防職員七〇人で発足し現在は、人口三九万人、世帯数一四万世帯、面積二〇九・三四?q2の管轄区域を有し、消防局四課一室消防署五署六出張所、職員数三九〇人の組織で重点目標「安全なまち・和歌山市をめざして」を掲げ、市民の期待に応えられるよう市民防火、事業所防火の推進、各重点施策の推進に取り組んでいます。

 

一 「一一九ちゃん」人形による防火広報

予防課長(浦)は昭和五二年一一月、車で出勤途中に、ラジオで小学校の先生がインタビューを受けているのを聞きました。

「いつも地元の農家の人が四季を通じて色々な野菜を子供達に食べさせて下さいと持ってきて下さいます。ニンジンを味噌汁に入れて昼食時、子供達に出しますが、ほとんどの子供達がニンジンを残してしまいます。そこで、思いついたのは指人形を使って腹話術でニンジンを食べる約束をすると全員の子供が喜んで食べた」という内容でした。

 

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