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・ 同四年六月 聴覚障害者用緊急ファクシミリ通報を、災害救急情報センターで受信することとした。(それまでは各消防署で受信していた)

・ 同年七月 災害弱者に対する地域協力体制づくりを、平成二年八月から実施した重点署の推進結果を踏まえ、全庁的に展開することとした。

・ 同六年四月 緊急通報システムの利用対象者として、難病疾病患者及び聴覚障害者を追加した。

・ 同年七月 都民生活の安全に関する規程及び同要綱を整備した。

災害弱者の定義、防火診断、警防情報システムヘの災害弱者情報の入力、地域協力体制づくりの推進、緊急通報等の円滑な運用等を規定した。

・ 同九年四月 協力員の確保が困難な高齢者を対象とする民間事業者を活用した緊急通報システムの運用を開始した。

・ 同年七月 災害弱者家庭の防火診断と緊急通報システム及び緊急ファクシミリ通報利用者への安心コールを、年間を通じて実施することとした。

・ 同一〇年一〇月 火災安全システムの受信を開始した。

 

二 災害弱者に対する防災福祉対策の取り組むべき問題点と対応について

(一) 「防災福祉」という用語に対して、「福祉」は「消防の仕事ではなく区市町村の仕事ではないか。」と考える職員もあると思われるが、「福祉」とはいわゆる公的扶助により都民(市民)生活の安定を図って行くことであり、我々消防の仕事もその重要な一翼を担っていることを理解させる必要がある。

(二) 区市町村等の福祉については、それぞれの地域性や行政方針により違いがあるので、地域の実態を良く把握する必要があり、福祉関係業務を経験したベテラン職員の有効活用も図る必要がある。

(三) 消防の行う防災福祉対策の効果的な推進のためには、区市町村等の行う福祉施策をよく理解し、これとの連携を図る必要がある。このため担当者はもとより署等の幹部にあっても管轄区域の区市町村等の防災及び福祉行政内容を理解する必要がある。

(四) 区市町村等においては、高齢者関係は高齢者福祉課、障害者関係は障害者福祉課等のように担当が分かれており、防災福祉の働きかけは、それぞれの課に当たる必要がある。

 

三 当庁の推進施策の体系

(下記参照)

 

東京消防庁の災害弱者に対する防災福祉対策

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四 現行業務の推進

(一) 防火診断の実施

防火診断は、職員が高齢者や障害者の家庭を訪問し、居住環境の実態に応じて、火気器具等の安全な使用方法、喫煙管理など防火上のポイントについて注意を促して改善を図り、住まいの防火安全を図っているものです。

従来は春・秋の火災予防運動や敬老の日を中心に実施していましたが、平成九年から三年に一回以上年間を通じ計画的に実施するとともに、消防車両も有効に活用して実施することとされました。

(二) 住宅用防災機器の普及

火災による死者の約半数を高齢者が占め、高齢者の火災による死者の多くが「発見の遅れ」、「避難の遅れ」であるという実態から、自動的に火災の発生を知らせる住宅用火災警報器や自動的に消火する自動消火装置等の住宅用防災機器や防炎製品等の更なる普及促進を図っています。

 

 

 

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