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宮崎県東児湯消防組合消防本部(宮崎)

 

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当本部は、宮崎県の中央部に位置し、都農町、川南町、高鍋町、木城町、新富町の五町で構成されている組合消防である。

管内は、黒潮流れる太平洋を望み、一年中穏やかな気候である。“うに”や“かき”の海産物をはじめ、天然記念物の赤海亀の産卵地として、また、日本一小さなとんぼの“はっちょうとんぼ”の生息地として、さらには、武者小路実篤氏らが「人間らしく生きる」という理想を持って入植した“日向新しき村”として有名である。

消防本部の発足は昭和四五年で、現在一本部二署・四分遣所を有し、八五人の消防職員と五消防団・一、三〇〇人の消防団員とともに、管内面積約四四四?q2に居住する約七万八千人の安全を守っている。

 

★信頼される消防!

太平洋に面し、川幅が五〇〇mを超える一級河川や、県立公園の尾鈴山をはじめとする一、〇〇〇m級の山々を擁しているほか、延長三七?qにもおよぶ国道一〇号線が南北に走っていることなどから、水難事故、山岳事故及び交通事故等に伴う災害出場が頻繁である。

このことから、迅速かつ的確な災害活動が行えるよう、年間訓練計画を樹立し、実戦に即した訓練を効果的に実施している。

また、企業や学校等の消防訓練にも積極的に参加し、防火講話や初期消火等の指導を行い、防火・防災思想の普及と自主防災育成策の推進に努めるなど、地域に密着した消防行政を推進している。

 

★消防団との連携!

管内全ての町に署所や消防車等を配置しているが、管内面積に対して台数や職員数が少ないことから、火災現場における消防団の協力は不可欠である。

このため、さらなる連携強化を図るため、日頃から連絡を密にし、定期的なポンプ操法訓練の指導や合同火災防ぎょ訓練等を実施するなど、円滑な連携活動を行っており、その良さは県内でも高く評価されている。

 

★応急手当の普及啓発!

管内の救急告示病院は一か所のみであり、また人口に対する救急要請が非常に多いことから、バイスタンダーによる応急手当の普及啓発を積極的に推進している。

平成六年から消防団や婦人防火クラブ等に呼びかけ、普通救命講習及び応急手当普及員講習を定期的に行い、救急要請の軽減と救命率の向上等に努めている。

 

★住宅防火モデル地区を指定!

海と高台に挟まれた地域の約四六〇世帯が折り重なるように数珠つなぎになった地区を、火災や津波災害が危倶されるため「住宅防火モデル地区」として指定している。

平成七年に住民の理解と協力によって指定されたもので、消防団や婦人防火クラブが消火訓練及び津波避難訓練等の指導を行っており、自主防災組織の強化並びに防火意識の高揚に努めている。

その結果、指定されてから今日まで、モデル地区内での火災は発生していない。

 

★消防フェアを開催!

“住民から信頼され期待される消防”をめざし、毎年二月「消防フェア東児湯」を開催している。

これは、イベントをとおして消防に対する住民の理解と防火・防災意識の高揚を図ることを目的に、東児湯少年婦人防火委員会との共催により行われているもので、毎年多くの人が訪れ、防火・防災意識の高揚等に一役かっている。

最後に清藤消防長は、「強靱な消防と住民から信頼され期待される消防を構築するために、自分に厳しく地域住民には優しく親切であれ…と職員を説く。また、やる時にはやり、遊ぶ時には遊ぶをモットーとしたい。」と述べられた。

(野崎俊幸)

 

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