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豊栄市消防本部(新潟)

 

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新潟駅から、JR白新線にゆられること約二〇分、市のほぼ中心にある豊栄駅に到着する。

ここ豊栄市は、新潟県の北部に位置し、新潟市、新発田市、水原町などに接している。管内は東西に一〇?q、南北に一二?q、面積約七七?q2から成り、そのほとんどが標高〇mから六mの平坦な地形で、面積の五五%は米どころ新潟を象徴するのどかな田園風景となっている。東部には、越後平野に残された数少ない潟湖・天然記念物「オオヒシクイ」の飛来地として有名な福島潟があり、西部を流れる阿賀野川河口とを結ぶ街の中心には新井郷川がゆるやかに流れている。また、市の北部には日本海側で唯一の中央競馬場である新潟競馬場を有し、中心部では江戸時代に開設された葛塚市(毎月一・五・一〇・一五・二〇・二五日開催)が立ち、食料品・衣料品・日用雑貨品など二百店舗が並び多くの人々で賑わっている。

当本部は、昭和三七年に豊栄町消防本部として職員数四人で発足した。現在は、一本部、一署、二出張所、職員五三人で構成され、団員四〇八人と共に約五万人市民の安全を日夜守っている。

 

★市民の夢福島潟放水路

古くからこの地域は水害に悩まされてきた。昭和四一年の洪水では管内のほとんどが水没し、家屋の全半壊、床上浸水等、甚大な被害をうけた。近年では、昨年の八月四日に発生した洪水で、市民、団員が一致協力し、まる二日間の水防活動を実施している。この昼夜を問わない活動に対し、消防団は建設大臣から水防功労賞を受賞した。

平成一四年には福島潟から日本海へ続く総延長約六?qの放水路が完成する予定で、この放水路の完成により、市民は心配の種であった水害から開放されると期待している。

 

★自主防災組織と消防団

市内自治会に四〇ある自主防災組織には、それぞれに小型ポンプを配置している。毎年九月に行政と市民が一体となった訓練を行い、防災意識の高揚を図っている。

今年四月には、広報紙上等での公募により、豊栄市初の女性団員一三人が誕生した。規律訓練や応急救護訓練等も行われ、その活躍が期待されている。また、団組織の改正により、市街地に二一年ぶりの分団が復活し、組織の充実強化が図られた。

 

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★出前講座

当本部では、バイスタンダーの育成や防災意識の高揚を目標に、豊栄市の年間事業として実施されている「生涯学習まちづくり出前講座」の中に、「応急手当講習会」や「我が家の火の用心」の二講座を開講し、自治会、事業所、学校等で積極的に指導を実施している。

 

★意識改革

佐野消防長は、職員とのコミュニケーションを大切に考え、個人面談を実施している。少人数であるがゆえに何でもオールマイティーにこなせるよう職員に意識改革を求めている。

平成一四年には、日本海沿岸東北自動車道が開通し管内を通過することから、救急出場や業務の増加が懸念されている。「これからは、限られた人員の中で今まで以上の業務を行うために、一人一人が新しい発想で業務を推進し、市民が安全で安心できる街づくりに取り組んでゆかなければならない。」と力強く語られた。

(小林 正弘)

 

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