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消防職員数は一三九人で、管内の総面積五九七・三八平方キロメートルを管轄し、人口約一一万七千人の生命、身体、財産を守り、地域に密着した消防を目指しています。

 

幼年消防の活動

「お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん火事を出さないようにしましよう。」

小さな体、大きな声でマイクにむかう、管内の幼年消防クラブ員による防火広報を実施しています。巡回する車両は広報車の二台で防火に対しての認識を、幼年期のうちに植えつけよう!と、法被を着用した幼年消防クラブ員が参加し、春、秋の火災予防運動期間中の行事に併せ、管内の防火広報を実施しています。管内の幼年消防クラブ数は四八クラブ、人員三、三五〇人で、毎年春と秋に五〜七の幼年消防クラブが、広報に協力しています。巡回広報の実施されることを、事前に知らせていますので、沿道には子供を待つ母親や孫を待つお年寄りが、手を振って喜んでくれたり、事業所の窓から「気をつけるよ!」と答えてくれる人もおり、防火意識の向上に、大いに役だっています。

 

住宅防火診断

国の施策の中で取り上げられている住宅防火診断については、消防署員の非番日に年間三回程度一人暮らしの老人世帯、六五歳以上の高齢者を対象に、一般住宅を訪問しています。

管内も高齢社会となり、山間部ばかりか市街地でもお年寄りが非常に多くなってきて、火災時における犠牲者の発生が、大変危倶されます。

二〜三名の消防職員が一組となり、お年寄りの体の状態などを聞きながら、暖房器具の取扱状況、灯明の管理など、決められた手引書に従い診断を実施しています。

事前の準備として、市町村役場と民生委員からの情報の提供など、協力を得て実施していますが、折角の診断結果も住民の理解が得られず苦慮しています。

 

自衛消防隊消防研究会

「自分の事業所は自分で守る。」を合い言葉に、毎年九月一日の「防災の日」にちなんで、柏崎駅前の事業所敷地内で組合管理者の柏崎市長も出席して、自衛消防隊消防研究大会を開催しています。

新潟地震、阪神淡路大震災のような災害に対する未然の対策と、発生時の的確な行動を行うことを目的に、約三〇事業所、一七〇人あまりが消火栓による消防訓練、レディース消防訓練、消防ポンプ・小型動力ポンプによる放水訓練、煙体験などのほか救急指導会を実施しています。上位チームは表彰されるため、自然と力も入りお互い協力しあって、助け合う訓練風景が随所にみられます。

 

おわりに

新潟県は、雪が多く消防活動において水利の確保、消防車両のチェーンの脱着など雪国ならではの苦労が数多くあります。雪による交通事故を防ぎ、また、出動が遅れないよう、職員一丸となって頑張っていますが、管内は、高齢化が進み消防にとっても消防活動時の人命救助、消防団員の確保など今後さらに憂慮される事項が、山積しております。

柏崎地域広域事務組合も、自治体消防五〇周年の節目の年を迎え、七月二日には、外部講師を招いての防火講演などの行事を実施しました。これからも職員の増員が期待できず、現有勢力であらゆる災害に対応しなければなりません。規制緩和などここ数年大きく変化してきており、今まで以上に予防担当職員として、責任の重さを感じ職務に励んでいます。

(須田静男)

 

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