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消防最前線

 

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火 災

産業廃棄物処理施設火災

福岡市消防局(福岡)

 

はじめに

福岡市は、北は玄界灘に臨み、海の中道と糸島半島が抱く博多湾に面した福岡平野を中心に位置している。

当市は、明治二二年市制施行、昭和四七年に政令指定都市となり、現在七行政区、人口一三二万余人、面積三三八・二七?q2で、九州・西日本の中枢都市、活力あるアジアの交流拠点都市として、発展を続けている。

このほか、まちづくりの目標として

・自立し優しさを共有する市民の都市

・自然を生かす快適な生活の都市

・海と歴史を抱いた文化の都市

四つの都市像を掲げ、その実現を目指している。

消防体制は、本部に三部八課一学校一航空隊で組織され、七行政区に七署二三出張所を置き、職員一、〇一三名、消防団は、七団六四分団、団員定員二、六〇二名である。

平成八年福岡空港で発生した大型航空機火災にもみられるように近年災害が大規模化・多様化する傾向にあり、更なる消防力の充実と防災体制の強化の推進に努めているところである。

 

一 火災の概要

1 火災発生日時

平成一〇年一一月二日一七時三〇分頃

2 覚知日時

平成一〇年一一月二日一七時四八分

3 火勢鎮圧日時

平成一〇年一一月三日〇時一六分

4 鎮火日時

平成一〇年一一月三日一二時五八分

5 発生場所

産業廃棄物処理施設(積み替え・保管施設)

6 気象状況

天候晴れ・気温一八℃・湿度五二%・風向南南西・風速二・六m・波浪注意報発令中

7 被害状況

人的被害

なし

物的被害

固定式スクラップ切断機 一機

パワーショベル 一台

廃材 二、一八七m3

8 出火原因

燃料タンクの残留ガソリンが廃車を切断中に生じた火花に引火したもの

9 出動車両及び人員

消防署 水槽付ポンプ車・化学車・梯子車等

三二台一〇二名

消防団 小型動力ポンプ付積載車

一台 五一名

消火協力機関 大阪航空局消防隊化学車等

二台 五名

 

二 施設の概要

火災の現場は、国道三号線福岡南バイパスより福岡国際空港旧西ゲートへ通じる道路の南側に位置する産業廃棄物処理施設敷で、廃棄車両の他廃棄の家庭電化製品を一旦集積し処理している。

敷地は、約三、二〇〇m2あり、当該事業所は、事務所棟(木造・二階建て・延面積二六四m2)作業棟(鉄骨スレート造・平屋建て・八八〇m2)及び廃棄車両等の集積場からなっている。また、周囲は北側を除く三方は、高さ七mの鉄製の塀が設けられ、消防用設備等としては、消火器一九個五四単位が設置されている。

 

 

 

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