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このフェスタは消防体験コーナー(消火訓練・一一九番通報訓練・煙体験訓練・救急処置訓練・梯子車試乗体験)、震災コーナー(防災パネルの展示・パソコンによる住宅防火診断)、遊びをとおして消防職員と触れ合いを目的としたゲームコーナー(万歩計競技・ストラックアウト・ミニ四駆レース)、そして各コーナーの体験者への綿あめ・焼きソバ・ポン菓子の無料サービス等の食料品配付コーナーから構成されたイベントで、今年は約二、五〇〇人の親子連れの市民が参加し、一時は会場に入りきれないほどの賑わいとなりました。

このフェスティバルは稲城市災害防止協会の援助を受けて実施しており、今年で一〇回目の開催でしたが、毎年三月頃になると子供達から「今年の消防のお祭りは何時やるの」と言った問い合わせがあるほど市民に定着しており、「継続は力なり」をあらためて実感しております。

 

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三 記念事業で更なる飛躍誓う

昨年は、稲城市消防団創設五〇周年・稲城市消防本部開設三〇周年・稲城市災害防止協会設立二五周年・稲城市婦人防火クラブ設立一五周年の当市防災団体の節目の年であったことから、秋の火災予防運動を前にした一一月八日(日)に各種団体合同の記念事業を実施しました。

この事業には、稲城市長をはじめ延べ約一、〇〇〇人の防災関係者が参加して、記念式典・記念消防ポンプ操法大会等を行い、これまでの成果と訓練の上にたって二一世紀に向けて「安全で安心して暮らせるまちづくり」をテーマにその使命を十分に果していくことを誓いました。

また、この記念事業と併せて消防・防災の関係者やこれまでに大きな災害活動を体験した方々の協力を得て安全なまちづくりへの架け橋ともいえる記念誌を発行するなど、昨年は稲城消防の記念と飛躍の年となりました。

 

四 中高層集合住宅等の安全対策

当市は都心のベッドタウンとして多摩ニュータウンをはじめ、区画整理事業等により中高層の共同住宅が増加しており、これら大規模な共同住宅や複合用途建築物の安全対策が大きな課題であることから次のような予防行政を進めております。

(1) 入居案内パンフレットヘの防災設備の掲載

住宅都市整備公団やマンション等の販売会社とタイアップして、入居案内パンフレットに防災設備の位置と使用方法について掲載しています。

(2) 防災説明会の実施

入居説明会等の機会に職員が出向して、防災設備の設置状況と管理上の注意事項や点検報告制度等の説明を行うほか、入居後六カ月以内に消防訓練を実施するよう指導しています。また、消防団も参加して実際の防災設備の機能と取り扱いについて説明するとともに居住者に体験してもらい、以後、防火管理者を選任し、定期的に消防訓練を行うよう指導しております。

 

五 終わりに

当市の出火率(人口一〇、〇〇〇人当たり)は二・〇三と全国平均を大きく下回っており、平成三年一月二六日以来火災による焼死者はなく、本年四月一四日で「火災による焼死者ゼロ三、〇〇〇日」を達成し、今なお記録更新中です。

稲城市消防本部は、小規模な自治体単独消防ではありますが、市民生活に密着した消防行政を展開し「小さくてもキラリと光る消防本部」を目指して「焼死者ゼロの更新」と「市民が安心して暮らせるまちづくり」のために職員一人ひとりが豊かな感性とチャレンジスピリットを発揮し、組織と個人が共通の認識をもってそれぞれのテーマに積極的に取り組んでおります。

(西澤清光)

 

 

 

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