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安来市能義郡消防組合消防本部 (島根)

 

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当本部は、島根県の最東部に位置し、安来市・広瀬町・伯太町の一市二町で構成する組合消防である。東は鳥取県米子市、西は県庁所在地の松江市に隣接し、南は中国山地を擁し、北は気水湖である中海に面している。

本部所在地の安来市は、どじょうすくいで名を馳せた「安来節」の発祥地として、また、世界の「特殊鋼ヤスギハガネ」の生産地として有名である。さらに、広瀬町の月山公園には'97「NHK大河ドラマ」ゆかりの地として、尼子氏居城の月山富田城址があるほか、伯太町には山陰一のスーパースライダー等のレジャー施設があり、多くの観光客で賑わっている。

消防本部発足は昭和二九年四月で、現在一本部・一署・二出張所・一分駐所、消防職員八四人と、三団本部・一六分団、八九六人の消防団員とともに、管内面積約四二〇?q2に居住する四六、八五五人の防火防災を担っている。

 

★消防施設の近代化 !

阪神・淡路大震災を教訓に、地域住民の負託に応えるべく、消防施設整備計画(中期計画)を策定し、消防施設等の近代化を図っている。

特に、本部庁舎建設は、消防組合発足以来の大事業であり、新システムを導入し、大規模災害発生時の「防災活動拠点」として活用できるよう、準備を進めている。

また、救助工作車や化学消防車の更新等を行い、初動態勢の充実強化を図るとともに、職員の高齢化に対応した消防資機材の開発と増強を進めている。

 

★救急業務の高度化 !

昭和四五年に開始した救急業務を高度化しようと、救急隊員の教育及び高規格救急車の配備を積極的に進めている。

現在、救急救命士は三人で、最新鋭の高規格救急車の運用開始により、病院との心電図伝送及び指示体制を着々と軌道にのせている。また、医師会と連携を図り、全ての救急隊員に年二回、病院実習研修を行うなど、隊員のレベルアップに努めている。

特に、バイスタンダーの養成には力を注ぎ、構成市町の教育委員会の理解を得ながら、管内の中学三年生の保健体育のカリキュラムに普通救命講習を取り入れ、応急救護の知識・技術を普及するとともに、命の大切さを教え、人を思いやる心を育もうとしている。

 

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★知事の権限移譲事務を実施 !

県下一一消防本部においては、平成九年四月から全国に先駆けて島根県知事から三つの権限移譲事務を行っている。

この一つの火薬類取締法における火薬類の譲渡・消費許可等の事務を行うことにより、花火の打ち上げにおいても計画段階から関与することができる。また、県下で初めて専従の保安係を新設し、円滑な事務処理に努めている。

 

★強力な助っ人 !

安心して暮らせる街づくりのために、管内企業の防火隊が一役かっている。

この防火隊は、日立金属安来工場に設けられた自衛消防隊で、小規模消防本部と同様の人員・資機材を装備している。これにより、大規模火災発生時には、消防本部からの要請により出場し、消防隊と連携した、効果的な消防活動を行っている。

最後に平井消防長は、「人づくり、ものづくり、組織づくりが大切である。限りある予算と人員で、住民の期待に応えるためには、精強な部隊を育成し、効率的な消防行政を推進する必要がある。そのためには、職員の資質の向上、計画的な施設・資機材の近代化を図るとともに、組織力が発揮されるような組織を作らなければならない。」と力強く述べられた。

(野崎俊幸)

 

 

 

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