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亘理地区行政事務組合消防本部 (宮城)

 

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当消防本部は、宮城県南東部に位置し、東北の湘南とも呼ばれる亘理町と山元町の二町で構成されている。いずれも温暖な気候をいかし、東北では有数のイチゴ生産量を誇っている。

亘理郡は、東は太平洋を望み、西は阿武隈山地の丘陵地、北には阿武隈川が流れ、南は福島県新地町と接する、気候温暖で緑豊かな住みよい地域である。

当本部は、昭和四五年に発足し、現在一本部一署・二分署、六四人の職員と一〇分団八七〇人の団員が、管内面積一三七・六?q2、人口五四、〇〇〇余人の安全を日夜見守っている。

 

★防災ヘリと合同訓練 !

昨年一一月、管内の小学校を会場に宮城県防災ヘリ、当消防本部及び関係機関による合同訓練を実施した。

訓練は小学校の避難訓練に始まり、消防隊の放水、防災ヘリによる校舎屋上からの吊り上げ救出、バケットヘの給水等が行われ、見学していた児童から盛んな拍手と歓声が贈られた。

 

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★月の輪工法で漏水を防止 !

当本部と両町消防団は年に一回、阿武隈川の河川敷で水防訓練を実施し水防態勢の万全を期している。

昨年八月末、北関東地方に甚大な被害をもたらした台風四号の大雨により、阿武隈川が増水し警戒水位を超えたため、亘理町消防団で唯一水防団を兼務する逢隈分団に招集命令が発令され、堤防の警戒に当たった。

警戒中、堤防の漏水が一四箇所で発生したため、逢隈水防団は全漏水箇所に対し月の輪工法を実施し、堤防の決壊を未然に防いだ。

また、本水防活動中、逢隈地区婦人防火クラブは、二日間に亘り、合計八〇〇食・一五〇キロの米の炊き出しを行い、地域住民が一体となった災害防止活動を実施した。

 

★一日消防署長 !

亘理町役場に勤める大村香奈江さんを一日消防署長に迎え、婦人防火クラブ員と一緒に、JR常磐線亘理駅前でチラシ等を配布して、火災予防を訴えると共に、消防本部に隣接する訓練場で点検官として、職員の通常点検を実施した。

大村さんは、世界一九か国二一人の選手が参加した'98福岡国際硬式空手道選手権大会において、見事優勝の栄に輝いた方で、今年一〇月にカナダで行われる世界選手権大会に参加する予定である。

 

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★普通救命講習の受講促進 !

当本部管内には、救急救命病院がなく、近年は約百件のペースで救急要請が増加していることから、平成一〇年から婦人防火クラブ員に対し、普通救命講習を実施し、救命率の向上に努めている。

婦人防火クラブは、九四クラブ、一三、〇〇〇余人ほぼ全世帯に当たる九九%の加入率を誇っている。

 

★ビッグ消火器で火の用心 !

平成一〇年秋の火災予防運動に合わせ、国道六号線沿いの山元分署前にビッグ消火器が設置され、地域住民と通行車両等に火災予防を呼び掛けている。

このビッグ消火器は二代目で、高さ二九〇?p、直径六〇?p、ドラム缶と車のバンパーとポンプ車の吸管などから出来ており、ボディ部分の「火の用心」で地域の火災発生ゼロを願っている。初代は、三島消防長が分署長時代に作成されたものである。

三島消防長は、精励恪勤(仕事に熱心に励み、まじめに勤めること)をモットーに、精強な消防部隊を育成したいと力強く語られた。

(加藤正美)

 

 

 

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