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広報・その他

災害に強い故郷をめざして

宇城広域消防本部(熊本)

 

はじめに

当消防本部が管轄する宇城(うき)地域は、火の国熊本のほぼ中央部に位置し、東西に細長くのびている。面積は、四六三・〇六?q2で、東部は九州山地の山陵が迫る山間地域、中央部は熊本平野と八代平野の中間にあり、九州縦貫自動車道、JR鹿児島本線、国道等が交差し、商業や人口の集積地域、西部は、宇土半島が天草の島々に向かってのびる海岸地域で、半島北側に島原・普賢岳を望む有明海、南側に不知火海(八代海)を配している。構成市町村は、一市八町一村、人口約一四三、〇〇〇人、宇城地域の総人口は徐々に増加傾向にあるが、過疎化と増加傾向にある市町村が混在している。宇城地域は、比較的に交通の便がよく、とくに商業圏及び勤務圏等が市町村枠を超え、生活圏ボーダーレス化にある。このような状況下、宇城地域の総合的な振興を目的に、熊本県下では初めてとなる「宇城広域連合」が、平成一〇年二月一日発足した。

当消防本部は、昭和四九年四月一日に一部事務組合として発足。現在、一本部・一署・六分署、消防職員一四三人で組織されている。また、消防団は、一〇団本部、五三分団、団員四、一三二人(女性団員七四人)が組織されている。社会環境の変貌を遂げる宇城地域の防災の要として、地域住民の信頼と期待に応えられるよう消防職団員一丸となり努力を続けている。

 

予防広報活動

●広報紙

広報紙は、六月と一二月の年二回、管内全世帯(約四三、〇〇〇部)に配布している。六月発行の広報紙は、当本部で六月を特別防災月間と定め、この一環として発行するものである。内容としては、風水害シーズン前にあたり、土砂災害への対策をメインとし、地震や水の事故に備えることなどを呼びかけている。このほか、宇城防火標語の募集を行っている。これは、地域の人に防火標語をもっと身近なものとして考え、防火意識を更に高めていただくことを目的としている。優秀作品の表彰式は、一一月の火災予防期間中、防火ポスターの表彰式とともに実施。広報紙上下の余白部分には、前回の防火標語に募集があった優秀作品と作者名を掲載。読者にとって身近な人の標語は、結構関心が高いようである。最終頁の中では、「ウキウキインタビュー」とのタイトルで、幼年消防クラブの指導者である保育園の先生とクラブ員がいっしょに写っている写真を掲載。その下段に先生へのインタビューコーナーを設けている。広報紙及びチラシには、積極的に幼年・少年・婦人防火クラブ員に登場していただくようにしている。このことにより、消防やクラブ活動への理解と同時にクラブ員としての自覚も高まっていくことを期待している。一二月発行の広報紙は、歳末のあわただしい中の火の用心をメインテーマとしているほか、お知らせや防火教室の様子などを掲載している。

 

●チラシ

チラシは、三月の火災予防運動に伴うもので、広報紙と同様に管内全世帯に配布している。表紙は、春先特有の火災に注意するよう呼びかけている。裏面は、防火訓と火災専用電話の番号を掲載、貼紙として活用するようお願いしている。特に裏面の防火訓は当管内の一地区で使用されていた防火用語であるが、「火の用心の大切さを訴える!」と、評判も上々。

 

●署内報

署内報は、B4サイズ一枚を毎月一回発行し、職員はもとより、管内及び県内の消防関係に送付している。裏面を活用して、主に救急出場の際に役立つ手話を平成五年五月号から掲載している。タイトルは、「一歩しゃんの救急手話チング」で、当本部職員が、救急出場時、耳の不自由な障害者を励ましてやれなかった反省から、手話を学ぶかたわら、みんなに少しでも手話を伝えたいと、スタートしたものである。

 

自主防災活動

●幼年消防クラブ

子どもの火遊びをなくすことと、消防をとおして、郷土や人を大切にする心を幼児期より育てることを目的に、三一団体結成されている。

平成一〇年一一月には、「二一世紀へつなげよう!防火の輪」をスローガンに、第一〇回宇城地区幼年消防大会を開催している。華やかな演技の競争をなくし、消防をとおして楽しい思い出が残る大会にすることを主眼におき、幼年消防関係者のご理解とご協力のもと実施してきた。

 

 

 

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