ポンプ車隊及び指揮車隊は、地上での救出活動、関係者からの事情聴取、報道機関への対応、通信指令室への情報提供等に従事した。
救出完了後、救助隊員は、全員地上に上がり異状の確認を行うとともに、工事関係者に下水道管内で作業をしていた人数及び救出に入った人数等を再確認した。
その後、救助隊員二人で下水道管内の作業実施場所(竪坑から五〇〇m付近)まで検索し要救助者の有無を確認するとともに、止水作業用資機材の配置状況等必要事項を調査した。
七 活動上の問題点
当事故については、発生場所が地下下水道管内で隊員の進入口、活動空間等が制限され、又照明もなく暗中、携帯用の強力ライトを頼りに、さらには低酸素濃度及びコンクリートの粉塵が舞い上がる中、救助活動は困難なものとなった。
このような環境下での長時間にわたる救助活動は、強靱な体力及び士気旺盛な隊員にとっても、疲労等により二次災害の発生危険が高いと思慮された。
今回の救助活動では、進入隊員数を制限し活動上の統制をとりやすくした他、隊員全員が空気呼吸器の残圧を確認しあい、お互いに連絡をとりあった等活動上の安全管理に配意した。
その他、地下と地上との無線連絡が困難であったことから高性能の携帯無線機等の配備、効果的な照明器具、軽量の空気呼吸器、車載高圧エアーコンプレッサー等装備の充実が急がれる。