地下下水道工事現場で酸欠事故
徳島市消防局(徳島)
はじめに
徳島市は、徳島県の東部に位置し、市内北部を流れる吉野川がつくりだした沖積平野の三角州上に造られた面積一九一・二三?q2、人口二六万の都市であります。
土地は、南西に高く、東北部へいくにしたがい次第に平坦になっていますが、地質が肥よくで気候が温暖であるところから、農作物栽培の適地となっています。
市域は広く、ほぼ中央部に徳島の象徴というべき眉山(標高二七六・七二m)、城山(標高六一・七m)及び南部に阿波三峰のひとつである中津軽(標高七七〇m)と、市内には吉野川をはじめ、勝浦川、園瀬川、新町川、助任川など多くの川が流れ、水運に恵まれたことが、本市木工業の発展にも大きく寄与してきました。
また、これらの小分流の間には、常三島、福島、寺島、など「島」のつく地名が多く水の都の感を強くしています。
なお、平成一〇年四月五日には、県民待望の明石海峡大橋が開通、近畿圏と直結して本州と陸続きとなり、新しい四国の玄関としての発展が期待されています。
本市の消防体制は、消防局、二署、二分署、二出張所の消防職員二四七人で火災・救急・救助等の各種災害に対処しています。
また、各地域に自主防災及び防火クラブを組織して二六万市民が健康で安心して暮らせる都市づくりを目指しています。
ここに紹介する事故事例は、地下約一一mの下水道の築造工事中に発生した酸素欠乏事故であります。
一 下水道工事の概要
(一) 工事名 徳島市北部遮集幹線築造工事(二工区)
(二) 施工箇所 徳島市住吉六丁目〜北沖洲三丁目
(三) 延長距離 二、一四九・九一m(二工区 平成一〇年三月現在)
二 事故発生日時等
(一) 発生日時 平成一〇年三月一九日(木)
一五時一五分頃
(二) 発生場所 徳島市北沖洲三丁目二番一〇号(阿波銀行マリンピア支店北三八〇m付近の下水道工事現場)
(三) 気象 天候 晴れ
気温 一六・一℃
湿度 五一・二%
風向 南南東 五・六m/s
(四) 覚知時間 一五時四五分(救急隊の出動要請)
一五時五三分(先着の救急隊から無線による救助隊の出動要請)
(五) 覚知内容
ア 救急隊
一一九「徳島市南沖洲三丁目二番一〇号 阿波銀行マリンピア支店前で、女の人が倒れている。」
イ 救助隊
自己覚知「救急要請現場の下水道内に酸素欠乏による要救助者五人あり、救助隊の出動を要請する。