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丸亀市消防本部 (香川)

 

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当本部は、香川県の中央部で瀬戸内海に面し、人口八〇、〇五五人、管内面積六五・四km2、一本部、一署、一分署、職員七九人と消防団一二分団、団員四七七人で市民の安全と暮らしを守っている。

丸亀市は、かつて生駒、山崎、京極と三代続いた六万石の城下町で、市街地の中央には、丸亀城がそびえ立ち、本部庁舎からも日本一と呼ばれる扇の勾配の美しい石垣と三層の天守閣を望むことができる。阿讚山脈を源とし東に土器川、西に金倉川が瀬戸内海国立公園に水を注ぎ、本島、牛島、広島、手島、小手島等は塩飽諸島の一部となっており、周辺で穫れる魚介類が食卓を彩っている。そして、丸亀の味といえば「讃岐うどん」。その旨さは天下一品である。

 

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代表的な地場産業は「丸亀うちわ」で、江戸時代より発展し、現在では年間約七、〇〇〇万本、全国シェアの九〇%を誇っている。また、瀬戸大橋、四国横断自動車道の開通により、交通の利便性が増し、新しい四国の玄関都市として目覚ましい躍進を続けている。

 

★ 空家への防火指導を強化 !

一昨年、空店舗の火災で小学生二名の尊い命が奪われた惨事を教訓とし、消防が中心となって、市教育委員会、各小学校、PTA及び消防団が一体となり、子供が出入り可能な空家の調査を実施し、五〇数件をリストアップした。その後、予防担当者が出入口の施錠、空家周囲の可燃物の有無を確認、さらに付近住民からの聴き取り調査により関係者等の実態を把握し、強く改善指導を行った。

 

★ 市民の期待に応える救急活動 !

本年三月に二台目の高規格救急自動車が導入され、一台につき二名の救急救命士を配置できるよう、救命士の養成を行っている。また、管内病院との救急医療連絡協議会を発足し、救急救命士のレベルアップと相互の意志疎通が図れるよう努力している。島しょ部の救急体制は、特定の船主と搬送業務協定を締結し、二四時間体制で海上搬送が可能となっている。

 

★ 一味ちがう消防団訓練大会 !

昭和三七年から、猛暑の中で訓練を行い、消防団員全員が消防団訓練大会に参加している。この大会により、県大会はもちろん全国大会においても優秀な成績を収めてきた。そして、二年前までは消防操法の心・技・体について成績を競っていたが、団員達の要望により、平成九年からレクリエーションを含めた無審査大会とした。当初は士気の低下を懸念する声もあったが、「俺たちの技を見ろ」と、全員が訓練の成果を披露するとともに、技能の向上に繋がり、どの分団でも県大会に参加できる実力が育成されている。

 

★ コミュニティ組織と防災訓練 !

地区住民を中心としたコミュニティ組織を整備し、市内一二の小学校区を単位として、防災知識の普及啓発を進めている。平成九年からは、避難訓練を主体に消火・応急救護訓練等に医師会も加わり、地域住民が一体となった総合防災訓練を全てのコミュニティ組織に呼びかけ、小学校区ごと持ち回り方式で第一回を実施し、毎年継続中である。

 

★ 市民への奉仕者として !

窪田消防長は「誠心誠意業務に取組み誠実に実行」「職員が働きやすい環境(職場)作り」「仕事は先送りにしない(迅速果敢)」「常に市民の立場に立っての行政・市民とのパートナーシップ」を業務の四本柱とし、これらを職員が前向きな姿勢で実行していくことが重要であると力説された。その言葉には、市民への奉仕者としての丸亀市消防本部の姿を強く感じた。

(中村昌美)

 

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