第二章 試験要領及び結果
一 陸上での空気注入試験について(表1、2参照)
消防用ホースを直線状に延長し、6Lボンベ一本を使用した場合の空気注入ホース本数は最大で七本までであったが、8Lボンベでは、最大一〇本まで注入することができた。
注入完了時間は、注入圧力及びボンベ容量が大きいほど短縮されており、注入圧力五kgf/cm2、七kgf/cm2及び一〇kgf/cm2時では、ホース二本までが一〇秒以内に注入が完了しており、ホース五本であっても、6Lボンベ、8Lボンベともに一分以内で注入は完了した。
空気消費量についてみると、6Lボンベでは、ホース一〇本注入時にボンベ残圧が〇となっており、8Lボンベにあっても、ホース一〇本注入圧力一〇kg/cm2時にはボンベ残圧が〇となった。
二 海上での空気注入及び延長送水試験について(表3、4参照)
海上でのホース延長は、消防艇の船上から、一重巻き、二重巻き、ジャバラ折りの三形態で海上に投下し、空気注入後の延長状況を試したところ、一重巻き・二重巻きはとぐろを巻いたり、絡まったりしてスムーズな延長はできなかったが、ジャバラ折りは、ホースの折れによる圧力損失が生じたものの、一重巻き、二重巻きと比較すれば、スムーズな延長であったことから、ジャバラ折りのホース延長について空気注入タイムと空気消費量を計測した。
6Lボンベによる空気注入は、ホース七本までしか計測できなかったが、8Lボンベでは、最大一〇本(距離二〇〇m)まで空気注入できた。
陸上で実施した場合と比較すると、注入完了時間が遅くなるとともに、空気消費量も多くなっており、8Lボンベでも、ホース本数一〇本時の注入残圧が〇となったが空気の注入は完了していた。また、ホース本数が多くなるほど6Lと8Lボンベのタイム差が如実に現れた。
消防艇積載のコンプレッサーについては、注入圧力五kgf/cm2、七kgf/cm2時のみの計測ではあるがホース五本まではボンベによる注入タイムの方が速くなり、ホース本数が七本、一〇本ではボンベ注入よりも速くなった。