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実りある支援活動を願って

 

大阪被害者相談室代表 堀河昌子

 

私たち大阪被害者相談室の活動も2000年の新しい年を迎えました。1996年4月15日の開設以来4年が経過しようとしています。

1995年の阪神淡路大震災時にいち早く精神的危機介入のボランティア活動「大阪YWCAこころのケアネットワーク」を組織し、被害を受けられた方への心のケアを始めたことが、現在の大阪被害者相談室を生み出す大きな原動力となりました。当初から私たちの活動を支えご協力下さっている関係者の皆さまには深い感謝とともに、御礼申し上げます。

犯罪・事故・災害等による被害に遭われた皆さまへの精神的サポートを目的に電話による相談活動を行っていますが、開設一年目は349回、二年目は592回、三年目は426回、1999年度は3月17日現在468回の相談を受けました。内容も性被害・殺人・傷害・窃盗等の犯罪被害、交通事故、肉親・愛する人との死別、職場・学校におけるいじめ、心の問題等多岐にわたっていますが、この一年間の特筆すべきことは交通事故に関する相談の多さです。愛する人を亡くされた遺族にとって事故ではなく、殺人犯罪としか思わざるを得ない車社会への対応の甘さが、死者への尊厳の欠如が被害者の心の傷を深くしています。また保険制度についても被害者側に立っていない不満が多く語られます。性被害に加え、夫・恋人による家庭内暴力DVの問題も深刻さを増しています。相談室の精神的ケアの対応だけでは解決のつかない場面も少なくありません。

 

 

 

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