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精神的ケアの上に法的問題解決を希望される場合は、1999年6月に発足した大阪弁護士会犯罪被害者支援センター、刑事手続き的な面では大阪府警被害者対策室をはじめ各相談窓口等を紹介させて頂いています。精神的ケアと共に社会的ケアを求められた場合、信頼して紹介できる充実したネットワーク作りの必要性を痛感しますし、その実現の為に努力をして行かねばならないところです。

電話を受けるたびに、被害者の心の傷の深さ、安全な場所の確保の困難、社会のうねりとして被害者支援の声が各地で上がっていますが、まだまだ対応の鈍さを実感させられます。相談員ボランティアのひとり一人が自分の問題として受けとめ、誠心誠意「聴く」ことに重点を置きつつ、被害者の心に寄り添って安心して心の内を語られる場となるよう、研修を重ねつつ相談員自身の資質の向上に努めたいと願っています。

一方では、被害者支援活動の充実を願ってより多くの人にこの活動を知って頂くための啓発活動も欠かせません。6月には小西聖子先生をお迎えして3周年記念講演会「女性への暴力-被害とその支援-」を開催。9月にはインドからジョイス・シロモニ氏を講師に迎えて講演会「ハーフウェイホームの活動」を開催。また、日本YWCA主催で、文部省男女参画社会補助事業として『「女性に対する暴力」被害者のためのサポーター養成講座』が東京、大阪で開催され協力をしました。3月には西澤哲先生をお招きして「DVにおける子どもの被害」と題し公開講座を持ちました。

被害者支援活動としては、被害者ご自身が立ち上がり発言されていく「犯罪被害者の会」が発足しましたし、民間の全国被害者支援ネットワークも全国13ヶ所と広がりを見せています。

 

 

 

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