Sail Voice
「帆船あこがれに乗って」
コースNo.9920 (7月17日〜7月21日)4泊5日
(大阪南港〜博多港) 高木小枝(さえ)
「あこがれ」に初めて乗ったのは去年6月。財団後援の西日本一周・大阪-高知3泊4日の航海でした。
もともとヨットに興味があり、数年前からこの船のことは知っていましたが、実際に申し込む一番の決め手になったのは「帆船+α」があったからです。この時の"+α"とは鯨でした。6月の高知沖といえば、鯨です。豊かな海の生き物との出会いを期待して乗り込みました。結局、この航海は、初日を除き曇〜雨。鯨は現れないどころか、大波に揺られて船酔いはするし、ハッピーアワー、デッキ磨き、食事当番、何をしても時間は永遠と思われるほどに長く、デッキから海を眺める唯一の平穏な時間は、俗世を思い出させる大音響付きの運動会(何が嬉しくてゲロゲロ酔ってる時にこんな狭いデッキで勝敗を競わにゃならん?)に邪魔され、海への好奇心から聞きたいことはたくさんあれどクルーは近寄り難く。初航海は、いいことなんて殆どなかった気がします。友達ができたことを除いて…
その後、数ヶ月が過ぎ、秋から冬に変わる頃、再び「あこがれ」にのっていました。以前の記憶は薄らぎ、風が帆走への憧れを駆り立てたからです。しかし、今回の"+α"である帆走もほとんど実現することはなく、相変わらず、ハッピーアワー、デッキ磨き、食事当番、ガスケット作業を繰り返して終わりました、関空沖でヨットをみると心はそっちに飛んでいました。
このころから航海型に乗りたいと思うようになりました。会社員にとって1週間の長期休暇は夢のまた夢。退職後(?)と思っていた所へ見つけたのが今回の公開でした。5日間という短い日程のうえ、土・日・祝日あり。瀬戸内コースに変更になり船酔い時間が短かったためか、5日間はあっという間に過ぎ、この航海が今までの中で一番楽しく充実したものになりました。苦手だと思っていたクルーの意外な一面を知って親近感が湧きました。入門型にはなかった新しい経験もたくさんできました。念願の帆走、360度の海と360度の星空も、海水浴もetc.そして、これらの楽しい場面ひとつひとつは乗り合わせたトレー二ーの存在抜きにはありえないものだと思います。
「あこがれ」はリピーター密度の高い船です。今回のワッチ(リゲル)では全員がリピーターでした。この船に惹かれる理由を考えてみました。
1]日常とは異なる時間(運動会を除く…)
2]日常とは異なる環境
3]同じ「帆船」好きな人との出会い(クルーの魅力、板さんの味力を含む)
4]人間(自分)の力の認識
どれも、もっともらしいけれど、どれも私にとって本質ではない気がします。船酔いは最悪だけれど、降りてみればそれすら楽しい出来事で…。結局、海が好きで、空が好きで、風をみたくて、波を感じていたい。これが「あこがれ」に何度も懲りずにのる理由です。そして先の4つが、"+α"になる気がします。
最後に、とても素敵な時問と出会いをくれた、この航海に関わるすべてのものに…心からの感謝を伝えたいです。
Thanks for everything.
四年ぶりの「あこがれ」セイル・トレーニングに参加して
コースNo.9922 (7月24日〜7月27日)3泊4日
(博多港〜敦賀港) 栗原誠(クリリン)栗原干余子(ちい)
福岡から敦賀の航海に夫婦で参加するため、7月23日に羽田から福岡行きの飛行機に乗った。その直後の札幌便であの、機長が亡くなってしまったハイジャック事件が起こり、あとから考えるとゾッとした。
24日初日、小雨がちらつく中、乗船。機走で玄界灘を行く午後、非常ベルがけたたましく鳴り、急いでライフジャケットを抱えてデッキヘ集合。万が一のときに備え、船を放棄し避難する練習の操練。操練の後はいよいよセイル展帆。みんなで「ツーシックスヒーブ!」と叫びつつロープを引き、二枚のセールを張った。マスト登りの練習の後は、インストラクションオフィサー、ハトやんの帆船講義に続きロープワークの練習。夜はメスルームで自己紹介大会。関西を中心に関東、中国、九州から10歳の小学生から定年後の方まで実に様々な老若男女が訓練生として集まった。
二日目島根県沖。起床し朝食前に船長ジンさんの故郷の沖で「わっしょい、わっしょい」と声を合わせて椰子の実を半分に割った特製たわしで水がまかれたデッキをゴシゴシ。今日は六枚のセイルを広げ、帆船らしい姿となった。夕方は、日本海に沈む素晴らしい夕日を見ることができた。
三日目、若狭湾に入り起床。タンツー、朝食あと、展帆。午後は畳帆し、夕方美浜湾の錨泊。四日目最終日敦賀に入港。入港前、遠くに小樽へ向け敦賀港を出港した帆船「日本丸」とすれ違った。
この入門型は10歳の子供から幅広い年齢の人が参加でき本当に懐の深いセイルトレーニングであると感じた。普段の生活では一緒に同じ時間を過ごすことのない初対面の人達と力を合わせ、ロープを引き、マストに登り操帆作業を行い、また様々なゲームで交流する「あこがれ」のセイルトレーニングは、理屈抜きに楽しく、素晴らしい体験であった。
宿泊を伴う航海には、四年ぶり二回目の参加だったが、この次は是非航海型にまた夫婦で乗りたいと思っている。
お世話になった乗組員・ボランティアスタッフの皆さん、また訓練生の皆さんに改めて感謝申し上げたい。