2]各参加施設においては、小児・父母・ヤングとスタッフとのかかわりが密となり、連帯感も生まれ、DMの知識面だけでなく、精神的な支えになってきていると思う。
21]北陸小児糖尿病生活指導講習会
平成11年8月19日〜8月22日 内難町福祉センター
平成11年度キャンプスローガンコントロールのカンを身につけよう
北陸の地に小児糖尿病サマーキャンプが開設されて四半世紀、本年も開催施設の全面的な協力のもと、例年どおりの規模での開催となった。
今回のキャンプでは,疾病に対する自己管理の啓発を目標に、スローガンを『自分の血糖値について考えよう』とし、また、身体を使った遊びができるよう、周辺に運動施設なども整った会場での開催とした。参加者のうち年長者である高校生にはスタッフとしての役割を与え、過去にキャンプを経験したOBとともに子供たちが糖尿病といかに付き合っていくかについてそれぞれ考えることができるようなスケジュ一ルが組まれた。
1. 糖尿病に関する教育と、自己血糖測定、インシュリン自己注射の技術の習得
小児糖尿病(インスリン依存型糖尿病)の療養にあたって最も重要である自己注射の技術についての指導は、普段行っている方法の再確認の機会となった。また、低年齢の子供の場合、これまで保護者に任せきりであったものが自分でやってみよう」という意識を芽生えさせる絶好の機会となった。このような例には、今後も自己管理に向けた積極的な関わりが必要と考えられる。また、糖尿病コントロールの指標である血糖についてはその測定の手技の習得だけでなく、その血糖の状態(特に高すぎるとき、低すぎるとき)が何故起こったか、そのときの自分の身体の状態はどうか(自覚症状)を「コントロールのカン」として位置づけ、それを考えることにより自己管理の意義を学ぶ機会とした。特に「血糖の測定はコントロールの為に行うのであって、測定自体が目的でない」ことの確認は、ともすれば測定結果によって子供を管理しがちである保護者にとって、糖尿病と長くつきあってゆくための姿勢を再確認する機会となったようである。
2. 運動 レクリエーション
的確にコントロールができている子供については、日常の運動やレクリエーションについて制限をする必要はない。しかし実際には、糖尿病であることによる障害(低血糖)を気にする余り物事に対して萎縮してしまう子供は多く、また保護者にも「低血糖が心配で思いっきり遊ばせることができない。」という声が聞かれる。キャンプでは万一の際にも医療スタッフの万全の体制が整っていたこと、また周囲に施設が整っていたことから、スケジュールに特別運動種目がなくとも、空き時間には施設周辺で身体を存分に使って遊ぶ子供たちの姿が見られた。
・保護者の間での情報交換
サマーキャンプは糖尿病患児を持つ親たちが集まる場でもある。糖尿病を持つ子供に対して、我が子のことながらどうすれば良いのかと途方に暮れる保護者も多い。医師を始めとする医療スタッフからの情報ばかりでなく、キャンプを経験して社会人として活躍するOBやOBの両親、他の参加者の親たちとの情報交換の貴重な場となった。