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○主催者代表意見

人口に対する発症率が低く、また社会的認知もいまだ少ない小児糖尿病です。

患者・家族は居住地域が県内各地に分散しており、治療に関しても病院・担当医師との定期通院が主となっています。このため治療及び日常生活上の情報量が圧倒的に不足しているのが現状です。

こうしたなかで患者・家族が一同に会して寝食を共にし情報を交換できるこのような集いはまたとない機会であると思います。

また、いっしょに参加している医療スタッフにとっては、患者・家族とは病院等での治療中心の指導しかできないが、生活面全般にわたって対応でき、子どもの成長に応じた治療方法へのアプローチがはかれる場ともなっています。

以上からも今後継続的に同種のキャンプの実施は必要と考えられます。

 

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キャンプの成果について:顧問医

1) 小学2年生で2名が、十分とは言えないが、インスリン自己注射が可能となった。他の者も、血糖測定のための穿刺が始めてできた児もあった。

他の児のやっていること見て自分もやってみようと思ったようである。

2) 親同士また医師、看護婦を交えての話し合いは、医師の知らなかった悩み、本音が聞けた。

3) 5千〜1万人に1人かつ治癒することのない病気と戦っている子供達が元気にたくさんいることが、磯遊び等を通して実感でき、秋からの療養生活の糧となる、思い出作りができた。

 

小児糖尿病ファミリーキャンプの効果について−看護の視点から:看護スッタフ

 

1) 小児糖尿病ファミリーキャンプにおける看護の役割

ファミリーキャンプは、年少患児や初発患児とその家族を対象にしたキャンプである。このキャンプにおける看護の役割は、以下の通りである。

・糖尿病の子どもをもつ家族同士が、悩みや気持ちについて話し合えるような場を提供する。

・糖尿病の子どもをもつ家族の悩みや気持ちを共有し、相談や助言を行う。

・糖尿病教育に協力する

インスリン注射や血糖測定等の親の手技の確認や、子どもが興味を示したときには、子どもに合わせた参加(技術指導)を考える。

低血糖の子どもの自覚の確認と親の対処方法について考える。

・健康管理、安全管理

糖尿病の子どもの低血糖の予防と対処。また、家族を含めたけがや事故の予防と対処。

風邪症状や下痢、便秘、疲労等に対する早期の対応。

・家族と交流を深める。楽しい体験となるよう関わる。

 

 

 

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