グランド・デザインの考え方を取り入れて、多自然居住地域という考え方も取り入れてですね。非常に価値観が21世紀が近づいて変わってきていて、やはり都市の地域の人もそういう自然の豊かな地域で、しかも都市機能が十分享受できるような、そういう地域を求めてきているという、はしりとしてはIターンとかJターンというのはあるんでしょうけれども。
そういうことを考えると、やはりそういった役割を果たすためにはインフラを整備させていかなきゃいけないし、いろいろな都市との交流も可能なソフト、ハードを含めて進めていかなきゃいけないと。それが、今の時期になって前途が見えてきたというか、トンネルが抜けられそうだ、あるいは抜けつつあるという感じを過疎地域が持っているんですね、太田さんがおっしゃったように。それで明るい感じをみんなが受けるようになってきた。
柴田委員長 デカップリング政策がとられそうになったから明るくなるんじゃないだろうと思うんです。(笑)デカップリングも、それはやって悪いということはないですけど、むしろ意識の問題として過疎というのは考えていくべきなんでしょうね。新しい全総じゃフロンティアとか何とか言っておりますが。
青野委員 もともと都会のほうから過疎地域なんだ、格差があるんだというのは何となく押しつけがあって、住んでる人は、ああ、過疎なのかと感じる。そういうのじゃないですか。
ですから、今、意識が変わってきて、Uターンもするし、公募すれば人材が得られる。ハイランド地域の泉村で施設の長を公募したら、中大の出身者なんですけど、島根でしたか、そっちの若い男性が応募して、館長になっているわけですね。生きがいがあるというわけですよ。ですから、やっぱりその地域と自分を一体化して、誇れる地域なんだという自覚と誇りがわりと出てきているということじゃないですかね。
柴田委員長 それは、価値観がどんどん多様化してますから。農林省のキャリアの女の人が岩手県の東和町の助役に行って、本省に戻ってこなかったですよね。白神山地で骨を埋めようとしている農林省の技官なんかもいますね。
近岡専務理事 価値観が変わってきましたね。
柴田委員長 変わってきました。やっぱり価値観の多様化ですね。
青野委員 そういうところで頑張ってる人に会ってきますから、やっぱり何となく明るく感じますよね。訪ねて行った我々のほうが、おれは都会にいて何をしてるのかと考えてしまうわけですよね。
近岡専務理事 確かに閉塞感はなくなりましたね。
柴田委員長 なくなったですね。
近岡専務理事 やれば何かできるという。それが可能になってきているんですよね。
太田委員 やっぱり我々が現地へ行って会う人は、みんな一生懸命やってる人でしょう。明るいはずなんですよ。しゅんとしているような人には、大体会ってこない。(笑)そういう人にも会わなきゃいけないんでしょうけど。(笑)
柴田委員長 どうもありがとうございました。
(当座談会は、平成11年12月14日(火)開催。)