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「環境保全に関する実践活動」は10年度から新たに始められた事業である。「阿蘇の原風景である草原を維持するために欠かせない野焼きのための「輪地切り」を体験することを通して、草原維持に向けての共通認識を高めるとともに、ボランティア育成の可能性を探ることを目的に」(10年度事業報告書)実施されたものである。9月に実施され、70名の参加を得た。

第3の事業は、阿蘇サイン計画の推進である。これは、平成3年度に策定された「阿蘇サイン計画」に基づき県・町村・観光協会などによって進められている看板等のサイン設置事業を支援するものである。サインの色や形に関しての助言・アドバイスが主な内容である。これは9年度まで実施された。

第4の事業は、役員の研修事業である。2泊3日程度の理事・幹事会の研修旅行が原則として年に各1回実施されている。

 

(3) 受託事業

 

特別会計で実施される受託事業は、当デザインセンターの広域連携事業として特筆に値する。それは、先に示したように、一般会計の事業と比べて予算規模が大きいばかりでなく、当デザインセンターの活動を著しく特徴づけるものだからである。8〜11年度の受託事業の概要を表5に示した。8〜10年度の事業実績を中心に見ることにしよう。

主な事業内容をみて注目されるのは「冬の阿蘇」・「草原」・「景観」・「音楽」・「食」といったものが、特別会計事業のコンセプトとなっていることである。受託事業の発注者は、表に見るように、環境庁であり、熊本県であり、阿蘇広域行政事務組合であり、蘇陽町であり、と異なるが、いずれの事業もこのコンセプトに収れんしている。10年度から始まる自主事業や11年度の宝くじ文化事業助成金を利用したコンサト、あるいは地ビール開発・製造の企画もそれと軌を同じくしているのである。

 

(a) 「冬の阿蘇を創ろう!」

 

そのうちでも最も注目されるのは、「冬の阿蘇」にかかわる事業である。年間入込観光客数が1,600万人にも達し、日本の代表的観光地として国際的にも広くその名を知られた阿蘇であるが、シーズンは春から秋にかけてであって、冬期には訪れる人は少数で観光地としての賑わいは全くと言って良いほど無い。これをまさに逆手にとったのが、「冬の阿蘇」である。「冬の阿蘇」に様々な色どりをつけて、「冬の阿蘇」をアピールしょうというのである。

これにかかわる事業は8年度から始まり、毎年度継続されている。8年度の「阿蘇国際高原リゾート基本計画調査」、9年度の「「冬の阿蘇を創ろう運動」受託事業」、10年度の「阿蘇アンテナショップ事業」、そして11年度の「「2000年・冬の阿蘇を創ろう」事業」、へと続く。

 

 

 

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