C. 主要産業
3町村を個別に見ると、池川町では商業を中心とする第3次産業が、仁淀村では鉱業を中心とする第2次産業が特徴的な産業といえるが、3町村全体では、農林業、建設業や公務を中心とした第3次産業に特徴を見いだせる、典型的な過疎町村の就業者構成となっている。
農林業は、お茶の栽培が中心であるが、単価はそれほど高くない。最近では、平野部との標高差を利用したトマトのハウス栽培に取り組んでいる地域も見られる。しかし、このような先進的・意欲的に取り組まれている事例は限られており、地域全体としての農業生産性は非常に低位な状況にある。
2. 広域的連携の現状
(1) 広域的連携の状況
この3町村を含む範囲で、広域的なつながりを持っている組織としては、今回取り上げる西仁淀介護公社以外に、高吾北広域町村事務組合(愛称:「SONIA」)、広域での地域づくりの推進組織としての、財団法人SONIA広域協議会、林業振興を目的とした株式会社ソニアの3団体がある。
A. 高吾北広域町村事務組合(愛称:SONIA)
この事務組合は、昭和39年に発足し、高吾北5ヵ町村(佐川町、越知町、仁淀村、池川町、吾川村)の消防、し尿処理、ごみ処理などを広域的に実施している。愛称のSONIAは、構成市町村のアルファベット頭文字から名付けられている。
平成7年度からは「ふるさと市町村圏」の選定を受けて「共生共に生きる」を基本理念とした圏域づくりに取り組んでおり、UJIターン者や高齢者が、生き生きと生活できる地域づくりをめざした、シルバーヴィレッジ構想などの具体化を進めている。
B. 財団法人SONIA広域協議会
この財団は平成5年に設立されているが、そのきっかけは昭和63年まで遡る。高吾北5ヵ町村において、21世紀を展望した個性豊かな魅力ある地域づくりを創造、推進するための組織として、各町村の企画担当課長がメンバーとなり「高吾北まち・むらづくり研究会」が昭和63年に組織された。平成2年にはこの会をさらに強化し、「仁淀川中流域広域振興協議会」として発足させ、花新聞(地域情報誌)の発行や、若者定住のための事業を実施するようになった。広域の愛称「SONIA」もこの会のアイディアでつけられた。