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すなわち東から西へ、松江・出雲・大田・浜田・益田市といった有力な都市を核にして他の町村を結びつけ、それぞれの広域圏が形成されたもので、松江地区、出雲地区が県下の東部に所在する広域市町村圏であったことがわかる。

 

図3 6つの広域市町村圏

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なお平成元年(1989)、出雲地区広域市町村圏は「出雲地区ふるさと市村圏」の指定を受け、さらに平成5年2月には「出雲地方拠点都市地域」の指定を受けている。そして平成7年5月には松江地区の一部を編入し、「出雲・宍道湖・中海地方拠点都市地域」とされている。さまざまな立場から広域化の試みがなされたことを知るが、当然のことながらどのような網のかぶせ方をしてもそれですべての問題が解決されるわけではない。

さて二つの広域市町村圏10町村に限っていえば、必要にせまられ、圏域内の町村相互に、特定事業を協同して行うやり方、すなわち規模の大小はともかく、一種の広域化による問題解決の方法がとられて来た。とくにし尿やごみの処理、消防・医療などの分野では、一つの町村の手に余るところから、他の地方と同様、早くから広域化が行われている。こうして、いうところの「一部事務組合」(複数の地方公共団体事務の一部を共同処理する地方公共団体のこと、知事が許可。法人格を持つ)や「協議会」(機能的にはほとんど変わりはないが、法人格をもたない)が多数つくられた。表5はそういった組合、協議会などの名称とその事務内容を示したものであるが、町村の組み合わせによりさまざまな広域事業がなされた様子が分る。しかしこれほど多くの事業が行われるとなると、すぐにも理解されるように、事務の煩瑣はもとより、負担金の増大も見過ごせないだろう。おのずから、もっと整備された形の広域行政組織に再編成する必要性があった。

 

 

 

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