そこから数多くの雪国文化が育まれてきた。米、野菜、山菜を主に食文化が形成され、魚沼米コシヒカリは全国ブランドとして知られる。冬季は保存食に頼らざるを得ないため、野菜や山菜の保存、漬物、乾燥などにすばらしい技術を生み出した。
克雪は地域の長年の悲願で、国と県の支援と町村の数十年にわたる施策により、冬季の住民生活は改善されつつある。利雪は、スキー以外の資源利用がほとんどなかったが、地元企業が秋野菜の翌年9月までの大規模雪中貯蔵庫を開発し、経費節減を達成している。これを契機に雪の資源利用が進み、雪蔵酒の製造、食品の雪中貯蔵など産業資源にも利用されるようになってきた。親雪、遊雪にも積極的な取り組みがなされ、雪おろしツアー、雪合戦など各種イベントに活用されている。
2 圏域の沿革
かつて、小出地域圏は隣接する長岡地域圏域とともに「長岡・小出地域広域市町村圏」を形成していた。この圏域は昭和47年度に広域圏計画を策定して広域行政を展開してきた。しかし、地理的、立地条件など、日常生活圏や通勤通学圏、商業圏などにおいては、信濃川流域の「長岡地域」(長岡市を中心とする4市6町2村)と、魚野川流域の「小出地域」(北魚沼郡の2町4村)に大別されていた。長岡地域は、都市基盤の集積、先端産業の立地、近隣町村の経済基盤や生活環境整備に主眼を置いた地域振興策を進めてきた。一方、小出地域は、マイライフ・リゾート新潟構想、奥只見レクリエーション地域整備など広域観光と克雪、過疎対策、下水道など生活環境整備などのインフラ整備に主眼を置いてきた。また、小出地域は昭和50年代から広域行政機関の小出郷広域事務組合が複合事務組合として広範な町村事務の共同処理を行っている。したがって、長岡地域と小出地域は諸条件や発展方向に大きい違いがあり、相互の地域特性を生かし、圏域の一体的な振興整備をめざして広域行政を進めるため、平成5年4月1日にそれまでの広域圏から分離し、現在の「小出地域広域市町村圏」が新たに設定された。
小出地域は、平成5年度から新たに圏域の総合振興整備計画を策定し、新たな広域事業として小出郷文化会館の建設、これを核としたふるさと市町村圏計画のソフト事業を展開、広域圏としての地域アイデンティティの形成をめざしている。今後は圏域全体の経済基盤の強化が最大の課題で、圏域の特性を生かした地場産業の発展のため、各種の施策に各町村が取り組んでいる。