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第3節 十日町地域広域市町村圏(新潟県)

 

1 圏域の概況

 

(1) 位置、自然

 

圏域は、新潟県の南部に位置する中山間農村地域で、十日町市、川西町、津南町、中里村、松代町、松之山町の六市町村(うち、十日町市を除く5町村が過疎町村)から成る。総面積762.28km2のうち山林原野が46%、農地が16%を占める。日本有数の豪雪地帯で、積雪は3mに及び、一年の三分の一以上が積雪期である。

圏域の中央部を南北に信濃川が流れ、河岸段丘に水田が広がり、美しい自然景観をなしている。圏域の東側には標高2,145mの苗場山や柱状節理渓谷美を誇る清津峡があり、上信越高原国立公園に指定されている。西側は山あいを南北に渋海川が流れ、「直峰、松之山、大池」県立自然公園をはじめ、四季折々の変化に富んだ自然や良質の温泉地として知られる。

 

(2) 人口

 

圏域人口は年々減少しており、最近の減少傾向は緩やかになっているものの、平成7年国勢調査では80,827人と昭和55年国勢調査に比べ12.7%の減少となっている。年齢階層別では、14歳以下の年少人口は18.3%で高齢化が進んでいる。世帯数は、平成7年国調で22,924世帯で昭和55年国調に比べ3.2%の減。一世帯当たりの世帯員は同じく3.9人から3.5人へと0.4人減少し、引き続き核家族化の傾向。自然動態では平成2年から減少傾向に転じ、社会動態も学卒者の転出で減少傾向が続いている。

 

(3)沿革

 

昭和46年に十日町市、川西町、津南町、中里村の1市2町1村により広域市町村圏協議会が設立された。当時の主要産業は織物業と農林業で、織物業は活況を呈していたが、高度成長期に入り若年層を中心に首都圏への移動が顕著になり、労働力確保のための道路網や上下水道など生活基盤整備が大きい課題となった。このため、昭和47年に「広域振興整備計画」策定、同56年に「新広域圏計画」策定、平成3年に計画改訂と、圏域の活性化、人口定着に努めてきた。その後、交通体系の整備が進み、日常生活圏が拡大したため圏域の見直しが行われ、松代町、松之山町を加えた6市町村から成る新しい広域圏が平成6年4月に発足した。それに伴い、新たに圏域の将来像を「人と自然が共生し、心の豊かさとふれあいに満ち、住む喜びを実感できる圏域」を掲げた広域行政圏計画を策定した。また、本圏域が新潟県の「マイライフリゾート新潟」構想の中核として位置づけられたことと合わせ、低迷する織物産業の振興、リゾート開発の推進を掲げて、雇用機会拡大、地域経済の活性化、若者の定着を推進してきた。

 

 

 

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