まえがき
この報告書は、当調査会が実施してまいりました「過疎地域における生活環境の向上のための広域的連携のあり方に関する調査研究」の結果を取りまとめたものです。
過疎地域は、森林等の自然や伝統文化などの豊かな資源に恵まれた地域ですが、若者の流出や少子・高齢化の進展等により地域の活力が低下してきています。そこで、過疎地域においては、自然や文化等の資源を保全しつつ、就業の場の拡大や高齢者対策等の生活環境の向上を図る必要があり、多くの分野において広域的連携を図ることが重要な課題となっています。
このため、過疎地域における生活環境の向上のための広域的連携の現状と課題を把握するとともに、広域的連携による環境保全、文化の振興、社会福祉の増進等についての調査研究を実施することにより、今後の過疎地域の活性化施策に寄与することを目的として調査研究をすすめたものであります。
調査研究は、次のメンバーによる調査研究委員会を設置して行いました。
委員長
柴田啓次 千葉経済大学経済学部経済学科長
委員
村井康彦 滋賀県立大学人間文化学部教授
太田良一郎 評論家・元時事通信社解説委員長
青野壽彦 中央大学経済学部教授
小田切俊夫 (株)社会調査研究所主任研究員
なお、特別委員として、三宅義彦国土庁地方振興局過疎対策室長及び関口勝自治省財政局指導課理事官に参画いただきました。
調査研究では、委員会での議論とともに、報告書に登載されている。団体の現地調査と全国から抽出した67団体を対象としたアンケート調査を実施いたしました。時間的な制約等もあり、十分な調査結果を得ることができなかった面もあろうかと思いますが、この報告書を活用され、今後の過疎地域の活性化に役立てていただければ幸いに存じます。
終わりに、調査研究委員会の委員各位に対し、またご協力をいただきました国土庁、自治省、都道府県、市町村その他関係各位に対し、心から感謝申し上げます。
平成12年3月
財団法人 過疎地域問題調査会
理事長 佐藤栄佐久