4]映画ミキサーについて
光学録音は上が6KHz辺りまでしか伸びていない狭い特性が特徴である。
最近ではサラウンドがかなり普及してきており、音響的に見れば今の映画館はいい環境にあるのではないだろうか。
映画音のPAテクニックとしてラインアウトをフラットで再生すると高域のノイズが目立つので、そこは多少カットして5〜6KHz付近を上げてやったほうが高域が伸びて聞こえる。
映画用のスクリーンは高域をロールオフする音響特性を持っている。スピーカーをスクリーン裏に仕込むのは定位的な問題以外にも効果があるらしい。
5]演劇ミキサーについて
効果音の嫌らしくない出しかたとして、スピーカーをわざと袖幕やセットに隠したりしてぼやけた感じでリアル感を出す。また効果音・音楽を出す際に、レベル・タイミング・音質等の設定が効果マンの腕の見せ所でもある。
演出上セリフ等の集音もある。その際の音量感、定位感も重要になってきた。
6]MA(マルチオーディオ)ミキサーについて
テレビ等に於いて近年非常に忙しいポジションでもある。
日本のNTSC方式だとタイムコードで同期をとると、1時間で3秒のズレが生じる。
その辺りを補正してズレが分からないようにできるテクニックも必要である
(むろんコンピューターを使用しての話)
タイムコードは3拍子で動いている。MAミキサーはワルツが好きなのかも!?
【音の環境の話】
ヨーロッパでは街にBGMなど音楽が一切流れてない。
但し音楽を聞こうと思えば専用のホールもあるしオペラホールも当然存在する。
日本の街は音楽(BGM)に溢れている。都市によって騒音のレベルが違う。
ホール等で開演前など客席のざわめきは大きな都市ほど比例して大きいのは、そのような要因も考えられる。
カセットは規格が緩くてメーカーによってピッチやテンポがまちまちである。
特性上音の立ち上がりが鈍いのが特徴であるが、普及率が高かったおかげで人はこの音に慣らされてしまい、この音が当たり前だと思われた悪い影響も出ている。
MDの場合、圧縮技術を使っており聞こえない音はカットする特徴を持っているので、例えばクラッシック等の録音に於いて、厳密に聞いてみると本当は入って入るはずの音(残響等)が消されている場合がある。MDは音が荒っぽい傾向があるが、逆にホール等にて音出しで使用するにはホールの残響と相まって結構マッチするのではないか。
頭出し等の利便さもあるので適材適所に使用すれば、かなり使えるメディアではある。