デジタル録音の癖の一つとして音がオンで聞こえる現象がある。これはマイクアレンジにも影響してきており、アナログ時よりオフで集音するようになった。
ライブな音を収録する目的で、スタジオの容積も以前と比べ大きく設計されるようになった。またホールの響きをも録音する目的で、お客を入れずに非公開でのCD録音も増えつつある。
[PAと録音のミキシングバランスについて]
PAの場合は全体のバランスを取るために生音が大きいものに対してはフェーダーレベルは低くなり、逆のものは大きくなる。そのためPAアウトの録音は決してベストなバランスではない。録音は別のミキシングが必要になってくる。
《MD再生》
分かりやすく説明するためにエレキギターの生音が大きかったバンドのPAアウトを再生。
明らかにギターが殆ど聞こえてないバランスになっている。
そのPAアウトにその際のホールのエアモニターをプラスしてみる。
ギターの音がバランスに加わってバランス良く聞こえだした。
3]放送ミキサーについて
テレビのスピーカーは大型の物でも間隔は1m程度なので、CD録音とかとは違う定位にする場合が多い。極端に左は左へ、右は右へという風に。なおかつモノラルで聞いてもおかしくないバランスを作ることも大事である。
FM放送の場合、最近では車で聞くことが殆どなので騒音の中でもしっかり聞こえる音造りが必要とされるようになってきた。
AM放送はFM放送に比ベレンジは狭いが、あまり狭さを感じさせない音造りも大切である。
衛星放送の場合デジタルで処理できるので、音楽番組等には適している。
《MD再生》
FM局の音を各局切り替えでその違いを確認する。
各々かかってる曲のジャンルが違うので音質の違いは分かりづらいがレベルが殆ど均一なのを確認できる。各局送信機にて高レベルにて圧縮し送出ているので似通った感じになっている。
放送の音で首をかしげることがある。ゴルフ中継で何kmも離れているのに、オンのカップインの音がしたり、競馬中継は毎回音が一緒だったりとか、どういう処理をしているのか?
効果音にて処理している場合もあるのでは?
長野オリンピックのスケートリンクの氷を削る音は実際氷の中にマイクが仕込まれていた。
あれだけクリアーに集音できていたのは場内PAがかなりの工夫をしていたのでは?