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一般的に放電灯照明器具は小容量型(パワーサプライとランプハウス一体型)と大容量型(パワーサプライとランプハウス分離型)に分けられる。放電灯照明器具を使う上で確認しなければいけないことはパワーサプライの短絡保護と地絡保護がちゃんとできているかという点である。持込の場合アースをちゃんと取れているか確認する必要がある。また放電灯照明器具への電源供給は放電灯専用回路か舞台照明用直電源でなければならない。

○電源について

定格電圧AC100Vを越える電源を必要とする舞台照明器具の場合は、対地電圧150V以下でなければならない。(電気設備基準より)AC200V動力電圧からの供給の場合、対地電圧が200Vになりこの規定に違反していることになる。AC200Vの舞台照明器具を使用する場合は単相3線定格電圧AC100Vの相間電圧200Vを利用しなければならない。この場合の相間電圧とはホット間(R-S)のことをいい、ホット-ニュートラル間(R or S-N)では100Vとなり、トランス側ではニュートラルはアースに落ちているため、対地電圧が100Vとなり規定をクリアしていることになる。

もし劇場に単相3線定格電圧AC100Vが無い場合はステップアップトランスを使い200Vに上げる方法がある。但しアースを落とすと対地電圧が200Vになるのでこの場合アースを取ってはいけない。また電気容量は3KVA以下の器具に限られている。(分岐ブレーカーを間に入れた場合はこれにあてはまらない)

○仮設用電源盤からの分岐について

例) 仮設用電源盤単相2線6KVA(幹線用過電流遮断器定格電流60A)の場合

1]幹線用過電流遮断器定格電流60Aに対して1つの電気使用器具(電動機を除く)が55%以上の場合、5.5スケア以上長さ無制限のケーブルで敷設ができる。

2]幹線用過電流遮断器定格電流60Aに対して1つの電気使用器具が35%以上55%未満の場合、3.5〜5.5スケアで長さ8m以下のケーブルで敷設できる。但しその器具の前に過電流遮断器(ノンヒューズブレーカーもしくはヒューズレス)をつけなければならない。

3]幹線用過電流遮断器定格電流60Aに対して1つの電気使用器具が35%以下の場合、2スケアで長さ3m以下のケーブルで敷設できる。2]と同様に過電流遮断器もつけなければならない。

なぜこのように規定されているのか?

過電流遮断器が器具を保護できる範囲としてケーブルの仕様が決められている。

 

 

 

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