多くの電気使用器具を繋ぐ場合も1]〜3]をふまえた敷設をしなければならない。
例) 仮設用電源盤単相3線40KVA(幹線用過電流遮断器定格電流200A)の場合
1]幹線用過電流遮断器定格電流200Aに対して配電盤及び分電盤(幹線用過電流遮断器付)が55%以上の場合、38スケア以上長さ無制限のケーブルで敷設ができる。
2]幹線用過電流遮断器定格電流200Aに対して配電盤及び分電盤が35%以上55%未満の場合、22〜38スケアで長さ8m以下のケーブルで敷設できる。
3]幹線用過電流遮断器定格電流200Aに対して配電盤及び分電盤が35%以下の場合、14スケアで長さ3m以下のケーブルで敷設できる。
○電源ケーブルについて
電源ケーブルは舞台照明器具等に使用するキャプタイヤケーブルの種類に準じなければならない。
1]2〜4種天然ゴム絶縁天然ゴムキャプタイヤケーブル(CT)
2]2〜4種天然ゴム絶縁クロロプレンキャプタイヤケーブル(RNCT)
3]2〜4種EPゴム絶縁クロロプレンキャプタイヤケーブル(PNCT)
溶接用ケーブルは耐電圧が不明記の上、ケーブル被覆が弱いため舞台照明器具等に使用するキャプタイヤケーブルとしては好ましくない。
また舞台照明器具等に使用するキャプタイヤケーブルは電気が流れる銅線1本を絶縁ゴムで覆っており、それが3芯ならそれをさらに絶縁ゴムが覆っている二重絶縁構造になっている。家電用のビニールケーブルは銅線を覆っているゴムが一重構造になっており、舞台照明器具等には使用できない。このケーブルで短絡事故が起きた場合ブレーカーが落ちる前に過熱して火災になる。
電源ケーブルの太さは舞台照明器具灯に使用するキャプタイヤケーブルの許容電流により選定することとし、過電流遮断器の定格電流値以上の許容電流のものでなければならない。ドラム巻きなどを使用する場合は製造業者などの指示する電流減少係数を用いる必要がある。ドラム巻きコードはこのことに留意せずに使用するとコード自体熱を持ち、最悪の場合発火する恐れがある。またコード全般に言えることだが、余ったコードを巻いた状態で放置し、負荷をかけるとドラム巻きコードと同じ現象が起きるのでコード処理には注意が必要である。
持ち込み配電盤及び分電盤には、実装の幹線用過電流の最小の遮断容量に見合ったD接地(第三種接地)を敷設しなければならない。簡単に言うと一番容量の小さいブレーカーに見合ったD接地をしなければならない。もし接地が取れなかった場合はなるべくそこの建築匡体の電導部に接地する。また敷設ときの幹線は捻るかもしくは束ねるようにする。但し負荷線については逆に離したほうがよい。
4) 今後の劇場における照明管理者が知っておかなければならないこと
今日では機器のデジタル化が急速に進んでいる。DMX等の弱電機器に対しての知識も必要となってくるだろうと思われる。新設、改修時このようなこともちゃんと押さえておかなければならない。