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非常時における各自対応の統一性、これは普段から事が起きた時の対応策です。劇場、ホールというのは一般社会の建物と違って、情報伝達のシステムが発達している部類だと思います。場内の回線は普通の職場よりもかなり進んで連絡網ができているはずです。これを緊急時に振りかえられるようなシステムになっていればスピーディーな対応ができる。ただ、それをどうやって緊急時にいかすか、それは日々職場において研究すれば対応策はとれるはずです。そういう対応策は常日頃から考えておく必要があります。

これは単に舞台機構の的確な操作ということはもちろんですが、ホール全体の機能がいかに安全に的確に操作されるかという事であります。

ゆくゆくは、皆様方が皆様方のホールを運営する。それに必要な技術者、それはできるだけ地元の人達によって運営されていく方向にもっていく、それが理想です。施設の職員としてはアマチュアの人達にも、ある程度の指導をする必要があると思います。日々日常の中で劇場ホールの機能をいかにしてうまく生かすかなど一つ一つ吟味しながら、生きていくべきだとおもいます。建物がどんなに古くても小さくても、そこで働く方の意識が良ければ、これはいい劇場だと僕等は判断するのです。どんな立派な小屋でも働く方達の意識が低ければ、これは悪い小屋だと僕等はいいます。だから、そういう視点でお考え頂きたいと思うわけです。

 

 

 

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