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残響音場の中で必要なものは、はね返りスピーカまたは、フォールドバック・スピーカ<foldback speaker>(FBと略して書く)と呼ばれる出演者のためのモニタ・スピーカであろう。これは、自分の声や演奏音を確認するため、または他の演奏者の音を聞くためのものだ。ただし、多くの場合、主催者の金額負担になる。

 

5. イコライザの使用〜使用方法

イコライザー<equalizer> ; equalize(イコライズ)とは等しくするという意味。周波数特性を変化させて、音色を補正する回路のことで、EQと略す。イコライザーの種類にもいろいろあるが、まず、グラフィック・イコライザー<graphic equalizer>で、これは、音質調整装置の一種で、可聴周波数体をいくつかに分割し、各帯域ごとに独立して調整できるものをいう。GEQと略記号で表示する。通常、スライド形のボリュームを使い、調整後のつまみの並び方で補正カーブが一目でわかるようにしてある。次に、パラメトリック・イコライザー<parametric equalizer>であるが、これはGEQと違って、中心周波数、帯域幅(Q)、そして各帯域ごとにレベルを可変できる周波数特性の補正装置である。略記号、PEQ。しかし、これらはホールの場合には、納品工事の時にすでに調整されていて開館後に再調整はできにくいシステムになっている。それなのに納品時の調整の頃とは、測定した時期(温度などによる)が違う・時間が違う(昼/夜など)・観客席の状態が違う・反射板を設営した状態で計測されていない場合が多いと思われる。そこで、現実の問題として、ミキサーのイコライザー(音声卓、音響調整卓)を使用して、調整をする場合がほとんどだろう。特に低音域の調整力が難しい。困っている低音の周波数のポイントをまず見つけてカット(Low cut)する。低音域の調整をまず行ってから、後に中音域(低中音・高中音)、高音域の順にコントロールを行うのが良いだろう。ミキサーのEQ部分には、レベル変化のさせ方の違いで、ある周波数を境に、それ以上または以下の帯域を調整するシェルビング・タイプ<shelving type>と、ある周波数帯だけを調整するピーキング・タイプ<peaking type>がある。また、低音域をカットするロー・カット・フィルタ<low cut filter>または、HPF(ハイ・パス・フィルタ〉と、高音域を減衰させ、低音域だけを通過させるハイ・カット・フィルタ<high cut filter>または、ロー・パス・フィルタ(LPF)等が装備してある。

 

6. 音源による違い(トーク、歌、楽器による違いなど)

 

音源と電気音響の役割 ◎ ; 特に必要な性能 ○ ; 必要な性能

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