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ダイナミックマイクロフォン<dynamic microphone>とは、磁界の中に置かれた導体が、音波によって振動すると、電磁誘導作用によって導体の両端子間に、振動速度に比例した電圧が発生する。この現象を応用したマイクロフォンをダイナミック・マイクロフォンという。使用する導体として、銅線やアルミニューム線をコイル状に巻いたものをムービングコイル型マイクロフォン<moving coil microphone>という。薄いアルミニューム箔を導体にしたものをリボン型という。一般的に、ダィナミック・マイクロフォンとはムービング・コイル・マイクロフォンのことをいい、リボン型はリボン・マイクロフォンと区別して呼ぶことが多い。

コンデンサ・マイクロフォン<condenser microphone>は、静電容量の変化を利用して、音圧を電気信号に変換するマイクロフォン。固定電極と導電性の振動板との間に、外部からの直流電源によって静電気を蓄えてコンデンサを形成させる。音圧によって振動板が振動すると固定電極との距離が変化して、静電容量が変化する。原音に対する追従性がよく、ダイナミックレンジも広い。エレクトレット・コンデンサ型マイクロフォン<electret condenser microphone>は、コンデンサ・マイクと同じ構造であるが、エレクトレット効果を応用して電極に電圧を加える必要のないマイクロフォンである。エレクトレット効果とは、合成樹脂やフィルム、プラスチックなどの高分子物質に、高い電界をかけたとき、電界を取り去っても物質にプラスまたはマイナスの電荷が残るという効果。この半永久的な電荷を利用したのがエレクトリック・コンデンサ・マイクロフォンである。

マイクロフォンは、その動作原理だけでなく、指向性によっても分類することができる。音の到来方向によるマイクロフォンの感度の違いを指向性という。ここでは2種類紹介する。

まずは、単一指向性マイクロフォン<uni directional microphone>と呼ばれるもので、側面と背面から到達する音に対して感度が低い性質のマイクロフォン。カーディオイド、スーパー・カーディオイド、ハイパー・カーディオイド、超指向性の4つのパターンがある。残響音や騒音などの周りの音を拾いにくいのが特徴で、他の音源からのかぶり込みも少ない。反面、風や振動などによる雑音に弱い。音源に近づけると低音が強調される近接効果も顕著に表れる。次に、無指向性マイクロフォン<omni directional microphone>で、どの方向からの音に対しても、同じ感度を持つマイクロフォンのこと。振動や風による雑音に強いので、野外での収音やポップ・ノイズが多い場合や、手に持って使用するのに適する。収録用である。マイクの性質として、無指向性マイクロフォンならば、音源にかなり接近して使っても特性はあまり変わらないが、単一指向性や両指向性(双指向性)マイクロフォンを口などの比較的小さな音源に近づけて使用すると、低音が強調される(明瞭度が下がってしまう)。これを近接効果<proximity effect>と呼び、音源との距離が近いほど顕著に表れる。このためヴォーカル用に設計されたマイクでは、あらかじめ低域の周波数特性をカットしているものが多い。従ってこのマイクをオフマイク(音源から距離をとったセッティング)で使うと低域のないスカスカの音になる。

 

 

 

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