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音の高さ ; 音は空気の膨張(伸び縮み=疎密波)で伝わっていくが、図にすると正弦波の山と谷の繰り返しということもできる。この山谷が1秒間に何回繰り返されるかで音の高さは決まる。繰り返しの回数が多いほど音は高くなり、少なければ低くなる。一組の山谷で1サイクルとすると、これが1秒間に何サイクル繰り返すかを周波数といい、単位はHz(ヘルツ)である。例えば1秒間に山谷が5サイクル操り返されれば5Hzであり、1,000サイクル繰り返されれば1,000Hzである。なお、1,000Hzは、1kHzとも表現する。

しかしどのような周波数の振動でも音として認識されるわけではない。人間の耳に聞こえる周波数の範囲を可聴周波数帯域と言い、20Hzから20,000Hz(20kHz)の範囲とされている。音の周波数をだんだん上げていくと、犬や猫、コウモリには聞こえるが人間には聞こえなくなる。このような音を超音波という。次に周波数をだんだん下げると、皮膚に触覚として振動を感じるが耳には聞こえなくなる。この場合は単に振動という。人間の耳が音として感じる範囲を調べるとき、音の周波数を上げて聞こえなくなっても、音の強さを増すとまた聞こえるようになる。音の周波数を下げていった場合も同様である。したがって、聞こえる限度は音の強さによっても変化する。また、周波数と音楽上の音程の関係は、周波数と比例関係である。

音の大きさのレベル<loudness lebel> ; 人間の耳に同じ大きさに聞こえる純音の、周波数と音圧レベルの関係を表したものが、等感度曲線である。この曲線から、ある音の大きさを、これと同じ大きさに聞こえる1,000Hzにおける音圧レベルを表示したものが、「音の大きさのレベル、loudness lebel」である。単位はPhon。音の大きさのレベルが10Phon増すと、音の大きさは2倍に感じられるという。広帯域の騒音や音楽のレベルに対して用いられるdB(A)と同じ単位である「ホン」と、音の大きさの単位「Phon」とは別の単位である。よく比較されるが、同じ大きさの音ではPhonの方が数値が大きくなる。

音色(ねいろ/おんしょく)<timbre> ; の三要素のひとつ。耳で感じる音の感覚を端的に表現する言葉で、「音の大きさ」「音の高さ」「音色」の三つを、音の三要素という。音色とは感覚上の音の性質の一つの表し方で、二つの音の大きさと高さが共に等しくても、二つの音が違った感じに聞こえるとき、その相違の要因となる性質を音色という。

 

3. マイクの種類による違い

まず、マイクロフォン<microphone>の概念は、音を電気信号に変換する機器である。音の入り口となるカプセルの中の振動板が音圧、音波の速度の変化に応じて振動し、その機械的振動がいろいろな方法で電気信号に変換される。現在、録音・PA等の現場で使用されているマイクを分類すると以下の2種類に分けられる。

 

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