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(b) 今回の技術研修会に先立ちまして、皆さん方にご協力いただいてアンケート調査をお願いをしました。その集計結果について、皆さま方の受け取られている資料の中に、「会館敷地内での事故における責任区分及び対応について」という項目で、責任のとり方と保障の問題として、会館側に不手際があった場合と入ってきた業者さんの場合という事で、それぞれ会館で保険に加入されている場合はどうなのか、未加入の場合はどうなのかという事を各県ごとにまとめてあります。その末欄に色んなケースについて、こんな事で今現在取り組んでいるとか、どのように対応したのかとか等書いてあります。参考にしていただければと思います。今の話ですが会館として業者さん、利用者が快適に仕事が出来るという環境を作って行くという事が大切だと思います。スノコは明るくしてあげるということが大前提だと思います、それは場合によってはリハーサルの時でもバトンの上げ下げの時に、実は見えた方が危険が無いかもしれません。ところが照明さんの方からスノコの明かりが見えて、デザインの問題でまずいということなら当然消さなくてはいけないでしょうが、そこら辺は状況の中である程度会館の方でイニシアチブを取る場合と、舞台監督さんに全てを預けてします。基本的に舞台に乗っけてしまえば、舞台監督さんが全ての責任の元で指揮をとられる訳ですから、そこら辺についていうと舞台監督との関係の中で答えが見かって来るのではないかという気はするんですが。

 

【A】 O会館さんですね、かって私も20何年も前に仕事にいきまして、天井を踏み抜いた事があります。今でこそシーリングヘのアクセスが良くなりましたけれど、かってのホールの天井裏は非常にひどい状態と言いますか、板がはってあるだけで、忙しい条件の中だったんですが、若い女性だったんですが、シーリングに行く途中に足を踏み外して、キャーと言った瞬間には天井がくずれていまして、天井から足がのぞいていたという状態でした。催物が1週間続いていまして応急処置で済ませて後で足場を組んで修理をさせていただいたという記憶があります。

基本的には、今、N会館さんが言われましたが、双方が保険に入っておくというのは絶対に必要な事ですね。我々もそうですが、逆に言うと器物位の事でしたらなんとでもなるんですが、人命までいった時の保証という危機管理という事に非常に取り組んでいます。人が亡くなった場合も含んで保証出来るような金額の保険というものに我々も入るべきだし、下手をすると管理するホール施設側にもそのようなケースがあるんではないかなと考えています。たまたま私、今年は技術監督をやってまして、愛知県芸術劇場の大ホールなんですが、東京のダンサーがフライングをするということでホールの方と相当綿密に打合わせをしてリハーサルもOK、バトンのたわみもOK全部の条件もOKという事で行なったんですが、東京のダンサーが直前に、オーケストラ100人の上に飛んでくるんですが、その前に水をかぶって飛んでくるというのが、その場で分りまして、オーケストラは一切出来ないと。つまり演奏している上に水が降ってくる訳ですから、この状態では、楽器がありますから演奏出来ないという話がありました。それはテクニック上で最小限に水が飛ぶ状態を作って、オーケストラに見てもらい、オーケストラもやる気が出たんです。

 

 

 

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