日本財団 図書館


このホールは地元の方の設計だとお聞きしましたが、大変劇場のことが良く分かった方だなと思います。非常にフレキシブルな、キャットウオークにもいろいろスポットなど仕込みが出来ます、それに見合った回路がもう少しあるとさらに良いのですが。

 

[会場からの相談に答えて]

【Q】 反響板内でのピアノ演奏の舞台照明について教えてください。

【A】 反響板上部にサスペンションが無く、天板ライトとシーリングライトでのライテングですね、私もよく仕事をしまして、その影の問題を経験するんですが、この位置にピアノがあるとしますと、ここに鍵盤部がありますと、この鍵盤の位置の正面からスポットをあてます。上手から光が来ますと鍵盤に影が出ます、下手から来ますと演奏者の影が鍵盤上に出ますから、真正面のシーリングスポットを使います。原則的に、演奏者から了解を得ています。後は角度によって隆起している部分の影が流れますが、その影はどうしょうも無いと思います。サスペンションがあれば問題ないのですが、シーリングからの照明ですと正面からの明かりになります。どうしても影が出来て演奏できないという事でしたら、電気スタンドを用意するしかなしのではないでしょうか。海外からの演奏家は、ややもすると、いつもと同じ条件で無いと演奏できないと言われる事もあります。解決方法として、まず、最初からトラブルになるような照明は避けるという事です。演奏者の一番弾きやすい状況をつくる事を心がけてあげるという事が大事ではないかと思います。

中には目に入る照明を全て消してほしいというオーケストラもあります。ですからほとんど天板照明だけの場合もあります。

 

【Q】 式典などの場合に中央演壇で話をする方が眩しくて話が出来ないというような事がたまにありますが、どういう照明にすればいいんでしょうか。

【A】 この様に照明が集中している場所でお話をするという事はあまり無い事だと思います。明かりを浴びるという状況ですから、眩しいと言うのは当然ですし、こういう所で、私もお話させて頂いてますが、この条件は眩しいです。かなり眩しいなと思います。それを逆に緩和するということもありますし、明かりを異常に明るくする必要はないと思います。全体の中で自分が見せたい所がピークになっているという事で良いのではないでしょうか。ここ10年ぐらいの間にハロゲンランプからシールドビームになり、それまでは無かったものが突然来た、異常に明るい状態でフル点灯されている訳ですから、少し抑える照明でいいのではないでしょうか。

私はデザインをしていて、暗転から非常に暗い舞台を作ることがあります、暗転からしばらくは非常に暗い舞台を作る場合ですが、始まる前の客電を通常のフルゲージから抑えて暗くしてお客さんに待っててもらいます。当然ホールの方に了解をもらいます、ここまで暗くしますがいいですかと。客電までコントロールします。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION