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この卓の唯一の欠点ですが、画面上で動いているキューがこの画面から次に移って行く時についていけないというのが欠点です。マウスを使いますと非常に便利ですがキーに割り付けてありますのでマウスが無くてもパソコンのテンキーでも使えます。ですから簡単な式典などの照明はファイル形式で保存しといて頂ければ簡単に出せます。外部へのフロッピーなどにも保存が出来ます。このソフトはヴァージョン1ですのでこれからまだまだ改良されてくるだろうとは思います。

 

【ホライゾン調光卓の説明と質疑が行われた後、みくに文化未来館の氷見さんからみくに文化未来館の会場内設備、舞台機構、照明設備など施設についての説明を受ける。施設の説明後、会場に就いての質疑応答がある】

 

[児玉講師]による講演の再開

日本の演出と外国の演出と大きな違いがあります。昨日オペラの話をしましたが、基本的にポータルブリッジというものは大体どこのオペラハウスにもあります。その他のブリッジは無いところもありますが、ポータル、基地となる橋という意味になるんでしょうが、舞台の端からずうっとありまして、必ずこの位置ポータルブリッジはあります。

何段かスポットが吊れるようになっている機構と、ここに人が乗ってフォロー出来る機構は原則的に持っています。それから、この上にプロジェクション、パニー等のように明るいプロジェクションを持っている、ここから後ろの向かってプロジェクションを投影するとかいう基地、ポータルブリッジ、そういうものを持っています。演出的のここのラインより前に役者を出しません。役者もダンサーも。ですので、すべてがポータルブリッジより奥で全ての演技の処理をしますので、原則的に前明かりを使わなくてもポータルブリッジをメインにして明かりが取れます。なお、オペラの場合立体的に進行しましたので前明かりを必要としない。ですからアメリカからくるプログラムを日本の劇場で公演しましてもあまり前明かりを使っていません。ポータルブリッジという概念と日本のように文字幕を降ろしませんから、日本のように文字幕を降ろしてきますと、プロジェクションが後ろに出来るということの可能性は無いのですが、向こうは美術セットのアーチを上にあげていきますから、ポータルブリッジからでもホリゾントに投影できるとか、色々な歴史の違いがあります。私はいろいろな演出家と仕事をしますが、日本の演出家はまずこの舞台端近くの位置まで出すと思います、ということは前明かりは入らないと、前明かりなしでは絶対設計できません。どうも国民性というのか、芸術の発展の中でお客さんもスターに近ずきたいという気持ちがありますよ。日本とヨーロッパの大きな違いです。

尚且つ、この位置にポータルブリッジと別にポータルタワーに物凄いスポットを吊り込んだ基地があります。完全にここは照明の天下です。あらゆるものが照明用に凝縮されているという機構を持っています。

それから、昨日、ボーダーのシート枠は外しておいた方が良いのではと、お話しましたが、ある会館の方から、ボーダーの電球の発列した事故例がある、ガラスの破片が落ちてきたので、それを防ぐために今では0番の透明のフィルターを入れたシートを入れているというご報告がありました。実際そのような危険性はあるでしょうから、それも必要な事なのかもしれません。

 

 

 

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