日本財団 図書館


安全帯ですが、基本的に墜落した場合に落下を防止するという機構です。見本を持ってきています。この安全帯はごく一般的に建築現場で使用されている物です、背中のロープが伸びるようになっていますので、これを必要な所に引っ掛けて、もし墜落しても背中のロープで保持するという仕組みにはなっています。ロープの長さが長すぎるのは止まった時のショックが大きく危険ですから、出来るだけ短いほうが安全です。大体使用されているものがこの製品です。

様々な事故例を検証しますと、この安全帯を使用していますと墜落は防げます。当然このロープで保持されてぶら下がっています。ぶら下がっているだけで、ほとんどの方は生きてらっしゃらない。墜落する場合非常にショックが掛かります、これはいっきにお腹の部分に力が掛かります、下に転落しないでぶら下がってはいますが内臓破裂もしくは骨盤骨折でぶら下がってはいますがほとんど命がないという事例がほとんどだそうです。

ですので、我々はこの安全帯は使用していません。私共の会杜で使用している安全帯はこの製品です。「ハーネスタイプ」と呼んでいます、登山などにも使われている安全帯ですが、仮に墜落した場合に腿の部分と両方の肩の部分で受けることになりますので先程の安全帯のように内臓破裂、骨盤骨折というようなことは妨げられます。これでしたら、短時間ぶら下がってもまず大丈夫です。一番大きな問題は、このロープの長さです、長ければ長いほど、落ちた時の衝撃は強いですね、短かければ短いほどショックに至る時間が短いですから、両肩に掛かる負担は少ない訳ですからなるだけ必要な長さに整える、ただあまり短いと作業がしずらい。このロープの長さは重要になってきます。オペレーターはこの安全帯を着用してテレスコープの上に乗ります、で、このフックをサスペンションのバトンもしくは前後の使用していないバトンを降ろして、安全フックを掛けます。その状態で次のワイヤーまで作業が出来ますので移動がしやすいです。自主規制ですが、安全帯を付けるから、テレスコープを移動させて下さいと、ホールにお願いをしています。

作業を続ける中で色々研究をするわけですが、最近もハーネスを扱っている会社とこの様なハーネスが出来ないだろうかと話の中で、メーカーが改良してくれたつい最近入手した改良版のハーネスです。まだ劇場用というか、色彩も改良の余地はあるんですが、その中の一つですがもっと軽くなっています。上体を支える位置はずいぶん高くなりました、これはフライングという技術がありますが、そのフライングの支点に近い位置になってきています。着用した感想は、今までの安全帯はゴッイ感じがしますが、それと、動き易いのがとてもよいと思います。海外製品でもかなり良い製品が出ていまして、色々共同研究して使い易く、装着し易く、安全性の高いものを追求していきたいと思っています。

テレスコープが倒れる危険性は十分あります、構造上倒れないとは言えませんので、ハーネスを着用して作業しています。長谷川工業は改良版を考えています。皆さん方のご使用になっているテレスコープを幾らかの価格を追加していただくことで改良版に直しますというような提案をしています。それははるかにべースの部分が大きくなって安定性を良くしています。改良版のオプションを去年頃、発表していますのでご検討をしていただけたらと思います。最初に申し上げましたが、製造者はこれに人を乗せた状態で動かしてよいとは言っていません。昔から雪駄と足袋というのが裏方の作業スタイルでしたが最近は鉄骨が多くなりましたので安全靴の着用が望ましいと思います。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION