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これが不快グレアの状態です。明かりを戻しましょう。この状態でもひょっとすると看板が一番輝いているかもしれません。どうでしょう?看板の地が白ですから当然反射して一番輝く訳です、条件的に。私の顔色よりも輝く要素を持っていますからこの状態でも看板の方が輝くのかもしれません。

では、看板当てを70%に落としましょう。50%にしましょう。これでどうでしょう?まだ看板の方が輝いていますか?大丈夫ですか。となるとここで話をしている方に集中しやすい条件です。で、今この看板は読みにくくなりましたか?十分読めますよね。

この式典なり、研究会の案内の看板としての役割を果たしていますね。我々がデザインをする時もそうですが、この様な非常に簡単な式典などの明かりの中でも、こういう事をちやんと気をつけて設計、デザインする必要があるだろうと思います。これは先程の不快グレアの逆です、観客の生理を如何に集中するか、という中で必要なことです。

我々デザインをする場合、輝くものが一杯有ります、オペラ、バレエですと、シャンデリアが有ったりします。先程の光源を見ているのと同じような状態です。そのシャンデリアをアーテイスト、役者の輝きより落としてやる、という工夫が絶対必要です。そのことによってお客さんが一番集中するのは誰か、何を見せるか、何をメインにするか、という必要が確認できます。で、困った時、迷った時、行なうのが先ほどの手法です。目を細めることで今一番輝いているのは何処か、と時々我々は行ないます。普通の式典の時にそんなには、ないと思いますが、演壇だけを明るくする、このレクチアー台だけを明るくしてスライド等をお見せするという時、そのような手法をとりますが、あまりデッドライトの中で一つの明かりを続けていますと人間は疲れます。ですから適当にフラットの明かりの中で一番集中したい人に輝度を最高に持っていくというのが、我々のテクニックですし、式典の中でもそのような照明設計をなさればよいと思います。

先ほどの休憩中にご質問がありました、T型コンセントについです、今後どのように進んでいくのか?このホールのサスペンションのコンセントはT型20Aですが、築6年になるとの事ですが、法規的にはT型は使用出来ない事になっています。100VT型20Aのコネクターは日本の中では認められていません。でも、実は、私の所属している会杜の機材はほとんどがT型の20Aです、下手をすると新しい製品を購入してC型がついているのに、めんどくさいから、C型からT型に変えているのが現状です。つまり、業者の方も、C型に変えるという経費の負担が出来ないという問題があります。新たに出来る劇場、ホールは出来た時からC型で設計されていますが、古いホールはT型があります、それを一気に、ホールの全てのコンセントをC型に変えるという予算がなかなか付かないで過ごしていることがあると思いますが、これはかなり、まだ時間が掛かるだろうという気がします。なんかのきっかけでT型が絶対使用することが出来なくなるまで、しばらくは混在するだろうと思います。あと5年、10年はこの状態が続くと思われます。

(1日目終了)

 

 

 

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