式典の照明について話します。グレアという言葉があります、これは視覚論などに出てきます、"眩しさ"ということです。眩しい状態のときをグレアと言います。私どもデザイナーをする時、グレアをかなりベースに入れます。グレアの中には不快グレア、視覚低下グレアと二種類あると言われています。これは混在するものですが、気持ちが悪くなる、不快な気分なる眩しさのグレアと、資格を低下させるグレアが有ると言われています。例えば、不快グレアですと、戸外で非常に太陽の明るい日中に本を読んでいますと、シャドーの部分と、ハイキーになっている部分があって非常に読みづらい、長時間本を読むのが苦痛になるのが不快グレアの例です。視覚低下グレアは雨の日に車の運転をしていて対向車のヘッドライトが眩しい、見失う、というようなのが視覚低下グレアの例です。舞台でよく使う効果で、目潰しと言うものが有ります。私の方から、皆さん方に向けて照射する非常に眩しい状態です。私を認識しようとしましても、この光が遮って、私を見ることが出来ない、これが長時間続きますと、多分皆さん方は目をつぶられると思います。今のは、視覚低下グレアと不快グレアの両方です。
つまりこの様に、ずっとお話している場合に、普通の通常の意識ですと、話している人間を見ようとします。それを遮っています、これは完全に視覚低下ですね。今の状態が続くとだんだん嫌になってきます、不快の状態です。実は舞台の演出で、この日潰しをよくやります、よく使われます。かなり基本的な部分としては不快です。
式典の照明についてお話します。皆さんは式典のデザインをなさることが多いと思います。どういう状態が不快なのか?不快グレアなのか?という話をします。今この状態は理想的な普通の照明です。会館の氷見さんにあらかじめお願いして作っておいてもらいました。ボーダーライトが吊り看板に当たりませんので、ステージサイドからパーライトを使って看板だけ染めています。奥はホリゾント幕を染めています。舞台上はこの演壇に向かって、何台かのスポットが集中しています。演壇だけでなくさらに舞台全体にも明かりが当たっています。この様な状態が基本ですが、私の顔とこの看板の明かりを見てください。とても簡単な事ですが、私どもデザイナーが普段一番気を使うことなんですが、輝度の問題です。輝きの度合いです。舞台上で我々はこの人間に集中してもらいたい、お客さんにこの人間を見せたいと思う人が一番輝くべきなんです。この状態がないと不快グレアの状態になります。主役がここで演じています、非常に美しい女性です、この演技を皆さんが集中したいと思う時にこの主役よりも輝くものが舞台に有った場合、長時間この主役を見続けることが出来ません、これが不快グレアの状態です。
今看板あてのパーライトはフルゲージです。舞台の前明かりを50%落とします、サスペンションのべースと斜めの明かりも落としましょう。そこで、皆さん目を細めてください、目を細めていきますと人間の目は絞っていきますので、どこが一番輝いているか?一番輝いている所が残ってきます。たぶん看板が一番輝いていますか?一番輝いているのはどこでしょう?多分吊り看板が輝いていると思います。そうですね。この状態で講演を続けていきますと集中出来なくなります、ここで話している方、もしくは私の話を聞こうとする状態で輝度は完全に吊り看板にありますから、吊り看板が目障りになってきます。