日本財団 図書館


では、実際に舞台に上がって頂いて、スポットの説明に入りたいと思います。

まず、スポットライトの種類についてご説明します。普通、我々が劇場で使っている照明器材には、スポットライトと、フラットライトと呼ばれているものがあります、大きな違いは、スポットライトはレンズを使って集光するものです。光を集光するものがスポットライトと呼ばれています、それに比べてレンズを使わず光を拡散するもの、例えば、ボーダーライトはフラットライトです。基本的に光を集光するものと拡散するものの二つに分かれます。スポットライトをもう少し分けていきます。日本の中で一番使われているスポットですがフレネルレンズです。このスポットは純粋に平凸レンズではないんですが、比較のために点灯しました。フレネルレンズはエッジを見ていただくと分りますが、光が拡散しています、周りのエッジがボケています。このスポットはフレネルレンズと比べては日本では平凸レンズとかC型レンズと呼ばれていますが、凸レンズです。海外ではフラノコンベックスと言われています。大きく違いますのはエッジがシャープです。使うときの用途に応じてなるべくフラットに広く使いたい時はフレネルレンズを使います、あるエリアに絞り込みたい、他になるべく光が影響を与えない状態で使いたい場合はこの凸レンズ、フラノコンベックスを使います。レンズの形状ですが、平凸レンズの裏側は全くまつ平です。

この面に対して前の部分は湾曲しています、この様なレンズで集光しています。フレネルレンズは表面が刻まれています、レンズが複雑に刻まれることによって拡散されると言う種類です。これはハイベックスというスポットとですが、中間よりも平凸に近いハード、フレネルに近いソフトと2種類のスポットがあります。今までの平凸レンズに比べてまつ平らではありません、少しエッジが入っています。この平凸レンズはほとんど日本にしか使われていません。日本のホールですとまず大体使用されているんですが、欧米、日本以外の国では見かけません。日本にだけ固有に発展してしまったスポットです。このスポットの役割を、欧米では何を使っているかといいますと、このソースフォーというプロファイルスポットです。一般的にはエリプソイダルと言われています、欧米では確実にこのスポットを使います。平凸でなくエリプソイダルを使います。平凸も、フレネルも集光すれば明るくなります。光を集めていけば明るくなり、拡散していけば暗くなります。おまけにむらが出ます。中抜けという真中にムラが出来ます。それに比べて基本的にエリプソイダルの場合は中抜けはしませんが、逆に集光することは出来ません。幾つかの羽を使って欲しい所だけに明かりを切っていくことが出来ます。日本の平凸レンズは欲しい所に絞り込んでいくという発想でしたが、エリプソイラルはカットしていく、必要な所に照射して、要らない所はカットしていくという発想です。大きな違いは、フレネルレンズもフラノコンベックスもレンズが一枚ですが、エリプソイダルは二枚のレンズで構成されています。欧米では、フレネルかエリスポットがメインで使われています。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION